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急成長の新星田邉、自己ベストに迫る走りで学生初タイトル!─第93回日本学生陸上競技対校選手権大会─1・2日目

2024年9月19日~22日 神奈川県・Uvance とどろきスタジアム by Fujitsu

第93回日本学生陸上競技対校選手権大会(全日本インカレ)が4日間にわたって神奈川県川崎市で開催された。

1、2日目では男子4×100mリレーが決勝を決めたほか、田邉奨(商1)が並みいる強豪を破って優勝、山下然(経2)が6位入賞と若い力が輝きを放つ2日間となった。


9月19日(1日目)

初日、男子100m予選には藤原寛人(法4)、黒木海翔(法1)が出場し、共に翌日の準決勝に駒を進めた。 

 ▲組2着で準決勝に進出した黒木

激しい雷雨に見舞われ、競技は一時中断となった。

雨も上がった頃行われた男子400m予選。短距離ブロック主将の稲川慧亮(法4)、6月の日本学生陸上競技個人選手権で準優勝に輝いた田邉、正野巧磨(経1)が出場した。 入賞を目指していた稲川だが、惜しくも予選敗退となった。田邉と正野はともに危なげなく準決勝に進出した。 

▲惜しくも予選敗退となった主将の稲川

初日、中大勢最後の種目となった男子1500m予選。後藤琉太朗(文2)、寺田向希(文1)が出場。7月の中大記録会で1500mの自己ベストを更新した後藤。前半から果敢にレースを進めるも決勝に駒を進めることはできなかった。そしてU20世界選手権1500mに出場した寺田。寺田は集団の後方から徐々に前方へと上がってくる形でレースを展開した。良い形でレースを進めたように見えたが後半の失速で予選敗退となった。レース後、「ラスト200mまで2,3番手につけ、スパートを仕掛けて1着をとる予定だった。自分の準備不足でそのレースプランを実行できる段階までに状態を持ってこれなかったのでレースでは集団の後ろに位置取り、徐々にポジションを上げていって3着以内で予選通過する予定だったが、ラスト300mからのペースアップに対応できなかった」と語った。

    ▲プラン通りのレースを進めた寺田

9月20日(2日目)

大会2日目の初陣を担ったのは、男子400mH予選1組に登場した酒井大和(法2)。

1着が49秒台をたたき出すハイレベルなレースの中、「3台目からの切り替えが上手くできなかった」と語るも、大きなストライドで4位を死守し準決勝へ進んだ。

▲最後の直線で粘りを見せた酒井

続く男子4×100mリレー予選は4走に注目のルーキー黒木を据える盤石のオーダーで臨んだ。1、2走を中位でつなぎ、3走の植松康太(総1)が圧巻のコーナリングで2位へ浮上すると、黒木の堅実な走り、首位を走る順大のバトンミスが相まって、大幅にリードを広げ1位でフィニッシュ。全体4位の39秒31で決勝進出を決めた。

▲盤石の継走で決勝を決めた

中大の新星はショートスプリンターだけではない。男子400m準決勝では田邉と正野の2人が出場、3組目の正野は第3コーナー付近から急激に失速するアクシデントがあり、8位と後塵を拝したが、2組目の田邉は序盤のリードを終盤の100mまで保ち、全体トップの46秒31で決勝進出を果たした。

▲悔しい準決勝敗退となった正野

リレーで快走を見せた黒木、藤原が顔を揃えた男子100m準決勝はまさかの結果となった。1組の黒木は横一線のスタートから抜け出したいところだったが、中盤から急激に失速し8位でレースを終える。初の決勝進出を掲げてスタートラインに立った3組の藤原はスタートからの起き上がりこそ順調に思えたが、中盤以降伸び切らず7位で悲願の舞台を逃した。「技術面でも思うように嚙み合わせることができず、全体的に完成度の低い内容となってしまった」とレースを振り返った藤原は、国民スポーツ大会、エコパトラックゲームズを今後の目標として歩み続ける。

▲中盤以降の伸び切らなかった藤原

中大勢から1人のみの出場となった男子110mH予選は館山正真(文1)が躍動。ミスのないハードリング、インターバルでもフォームを崩すことなく、13秒96の組3位で予選を突破した。

▲館山は安定したハードリングを見せた

フィールドでは男子走幅跳決勝に山下が出場。「中大記録とメダル獲得を視野に練習してきた」という中で、一本目で足が痙攣し、二本目で痛みに襲われる苦しい状況に。後がなくなった3本目。山下は「練習でも試したことのない助走」で足の負担を軽減し、全体6位の7m48をマークする離れ業を見せた。4回目以降は記録を伸ばすことができなかったが、「主要大会に合わせられる技量がついたことは成長したと思う」と今後の活躍に期待を覗かせた。

▲コンディション不良も意地を見せた山下

トラックに戻ると、中大勢最後の種目となった男子400m決勝を迎える。1年生唯一の決勝進出となった田邉だったが、予選、準決勝同様に後半の粘りが功を奏し、自己ベストに肉薄する46秒33で優勝を決めた。入学後、大きな成長を見せるホープは「中大記録を更新する45秒台、学生個人選手権、関東インカレと日本インカレの個人三冠、日本選手権決勝進出」を今後の目標として掲げた。

▲学生初タイトルに笑顔を見せる田邉

主に下級生が飛躍を見せた2日間。今回入賞を果たした田邉や山下を筆頭として、多くの選手が今後の陸上界をけん引する存在になることを期待せずにはいられない。

◆大会結果◆

9月19日(1日目)

男子100m予選

2組

③藤原寛人(法4)10秒40 準決勝進出

4組

②黒木海翔(法1)10秒40 準決勝進出

男子400m予選

1組

④稲川慧亮(法4)48秒22 

4組

②田邉奨(商1)47秒11 準決勝進出

6組

③正野巧磨(経1) 準決勝進出

男子1500m予選

1組

⑩後藤琉太朗(文2)3分54秒04

3組

⑩寺田向希(文1)3分51秒27

 

9月20日(2日目)

男子400mH予選

1組

④酒井大和(法2)50秒65 準決勝進出

男子4×100mリレー予選

2組

①中大 39秒40 決勝進出

エケジュニア瑠音(法2)

藤原寛人(法4)

植松康太(総政1)

黒木海翔(法1)

男子400m準決勝

2組

①田邉奨(商1)46秒31 決勝進出

3組

⑧正野巧磨(経1)50秒05

男子100m準決勝

1組

⑧黒木海翔(法1)10秒86

3組

⑦藤原寛人(法4)10秒51

男子走幅跳決勝

⑥山下然(経2)7m48

男子400m決勝

①田邉奨(商1)46秒33

 

(記事:大畠栞里、日向野芯 写真:小泉百萌子、大日方惠和、斎藤さくら、日向野芯、大畠栞里、小林陽登、土屋日向)

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