新型コロナウイルス感染拡大に伴い、明かりが消えたスポーツ界。大学スポーツも開催予定だった各大会の中止や延期といった影響を受けています。4年間というタイムリミットがある大学スポーツ。このような出口が見えない状況の中、大学生アスリートたちはどのような思いで1日1日を過ごしているのか。中スポを通して、この1年を戦う選手・スタッフの皆さんの声をお届けできればと思います。第10回は自動車部。主将の木村俊文選手(理工4)にお話をお伺いしました。
※この取材は5月5日に電話にて行われたものです
▲全日本ジムカーナ終了後の集合写真(写真提供:自動車部)
――今の部の現状、部員の状況について教えてください
「ガレージが閉鎖されてしまって、ガレージでの整備やサーキットでの練習ができていません。オンライン上でミーティングだったり、新歓活動自体は行っている状態です」
――監督から自粛期間を迎えるにあたって、指示はありましたか
「基本的に外出等は控えて、時が来ればちゃんと活動は再開できるから、今やみくもに動かないようにと再確認を受けましたね」
――オンライン上のミーティングでは、具体的にどのようなことでコミュニケーションを取られているのですか
「新入生がオンラインで入ってきてくれているので、新入生との親睦だったり、ネット上での活動報告といいますか、宣伝の話についてWebex等を用いて話している感じです」
――チームとして苦労していることはなんでしょうか
「電話やネット自体で連絡を取り合っていても顔を合わせて話をしないと、部員各々の感情など誰が何をどのように思っているのか、自分としては読みにくいところがあります。個人個人が会えてないと、各々の精神的な状況とか読めないので、そこらへんが結構大変ですね」
――直接会えない新入生に対して、工夫や意識していることはありますか
「部のガレージの様子やサーキットで走っている動画を積極的に採用して、インターネットで配信したので、新入生に部の活動のイメージ自体はつかんでもらっている。あとは今現在、親睦を深めることぐらいしかできないかもですけれども、自粛期間が長引いても、定期的にコミュニケーションを取って、関わりが薄くならないようには気を付けています」
――車の整備にはどのような影響が生じましたか
「会社にパーツを発注したりするのですが、パーツを生産している会社自体がコロナウイルスの関係で休止してたりするので、そこがまず痛いです。あと定期的にエンジンをかけてあげないと、車が傷んじゃうんですよね。そこも痛いですね」
――加えて走行練習も行えない状況ですが
「運転自体、継続的にやっていかないと結構なまる部分があるので、鈍るのはとてもありますね。内心結構痛いです」
――今は何もできない現状があるということですか
「サーキットとかに個人で走りに行ける訳ではないし、自動車部は活動を停止されちゃうと自宅で何もできないのが、ほかの部に比べて結構デメリットなので、そこが痛いですね。厳しいところですね」
――新型コロナの影響で大会日程はどのようになりましたか
「全関東が全部中止になって、全日本は延期が濃厚かなという感じですね。全関東で何校か選抜されて全日本に出場できるんですけど、全関東が中止になったので、全日本は例年と違う形式になるのかなと思います」
――今年のチームの手応えについてどう感じていましたか
「今年1年、力を合わせれば十分結果は得られるとは思っていましたね」
――大会延期、中止に対する率直な思いを教えてください
「コロナがいつ終わるのか分からなくて。いつか終わるって世間ではよく言っているんですけど、自分は4年生。最後、責任者として大会に出たかったという思いが強いので、これ以上大会が潰れて、自分の代はコロナの影響で大会がすべてなかったですというのは、自分としてはちょっと納得できないというのが率直な思いですね。やっぱり自分の代で全部潰れちゃうのは、内心痛いですね。」
▲今年度、主将に就任した木村
――先行きが不透明ですが、モチベーションを保てていますか
「モチベーションは保ってはいるんですけども、やっぱり家で強くストレスを感じながら、早く開けないかなとかいう感じですかね。今はひたすら待つしかないんです。外に出る訳にもいかないので」
――自粛期間ではありますが、主将として意識すること、チームの皆さんに求めることを教えてください
「ずっと家にいるといろんなことに対して意識が低くなりがちなんですけども、ここはぐっとこらえて、この騒動が終わり次第、またみんなで積極的に活動していきたいなと思っています」
――ありがとうございました
記事・写真:「中大スポーツ」新聞部