春は東洋大相手に入れ替え戦で見事残留し、この秋も長く続いている1部の舞台でプレーした中大野球部。この秋は春の最下位から見事躍進を遂げ、リーグ優勝の夢は叶わなかったものの2位でシーズンを終えた。成長を遂げた秋を終えた監督、選手たちは何を語るのか。17日間に渡り彼らの思いをお届けする。
連続インタビュー6日目は皆川岳飛選手(経1=前橋育英)。春と同様、秋も中大打線の中軸を担い対駒大の3戦目では同点タイムリーヒットを放つなど攻守で貢献した皆川であったが、彼の口から語られた言葉の多くは悔しさであふれていた。(取材、構成=髙梨晃世)
——今の調子は
秋のリーグ戦が終わって、チームとしてはいい形で終われたけど、自分の中であまり良い成績が残せなかったので、春のリーグ戦に向けて練習しています
——秋季リーグを振り返って
日本一という目標の中で4年生の二人が率先して引っ張ってくれて、その背中を追っていくだけだったので、自分は成績を残せなくて悔いが残るシーズンだったので、次は自分が成績も残したうえでチームに貢献できるようにしたいと思います
▲春に続き一年生ながら中大の中軸を担った皆川
——秋リーグは自分で点数をつけると何点か
30点ぐらいです。守備の方はミスなく終われたけど、打撃の方は打率も残せなかったですし、チームに貢献できなかったので
——福島での開幕戦
緊張とかはなかったですけど初めての球場でやったことに関しては不安とかはあったので、ノックだったり、試合の中でだんだん慣れていったって感じですね
——福島の3戦目でタイムリーヒットを打ったことについて
開幕戦で1勝1敗きてて、絶対に点を取らなくてはいけない場面だったのでライト前に同点打を打つことができて良かったです。でもそこから勢いに乗れて良ければ良かったですけど、そのあとのZOZOの試合のときに全然打てなくて、相手からも対策されていたので、それに対応できなかったですね
▲福島での第三戦で同点タイムリーヒットを放った
——ZOZOマリンスタジアムでの外野を守るのは大変だったか
大変でしたね。暗さとかもあって、でも一番は風で自分が感じなかったとしても上はすごい風が吹いてたりして守りずらさはあったけど、森下(翔太=商4・東海大相模)さんが結構声かけてくれたのでそれに結構助けられましたね
——阪神にドラフト1位指名された森下選手について
1年生と4年生なので、1年のやつなんか相手にしてくれないのかなって思ってたけど、結構気さくに話しかけてくれて、守備のことだったりバッティングのことについてアドバイスくれてすごく助かりました
——どんなアドバイスをもらったのか
守備でのポジショニングだったり、バッティングだとタイミングの取り方だったりを教えてもらいました
——印象に残った相手ピッチャー
国学大のピッチャーはみんな印象に残ってますね。チームとしても抑えられたし、自分も一本も打てず、何度も惜しい場面で抑えられてたので。なので来年はしっかり対策していきたいと思います
——国学大のピッチャーの特徴は
優勝しているチームなので、ピンチでの粘り強さだったり、投げミスが少なかったです。そういう点ですごくバッター陣は苦しめられました
▲秋では国学大のピッチャーに抑え込まれた皆川、来年への雪辱に燃える
——自身で選ぶ秋でのベストプレー
バッティングだと駒大戦で打ったライト前のタイムリーヒットですね。一点差で負けててそのとき2球か3球真っすぐで粘ってから、真っすぐでちょっと甘くきた球を逃さずに打てたのでその同点の一打ですね。守備だと同じく駒大戦で3番の林琢真選手がライトにライナーを打ったんですけど、そのときランナーが一、二塁で1アウトでランナーも打った瞬間ライトに抜けるだろうと思って飛び出してて、それをフェンスがあったんですけど、あまり気にせずにボールだけ追って捕って、セカンドでアウトにしてダブルプレーにしたのは初戦だったので勢いに乗れたというか、そのあとにもつながったのでその点についてはよかったかなと思います
——秋で見つかった課題は
秋では変化球に悩まされて、全然タイミングが合わずに打つことができなかったので足腰の強化だったり、追い込まれたうえでの粘りをもっと重点的にやっていく必要があるなと思います
——自身の打線での役割は
春も秋もチャンスで回ってくることが多かったので、そのチャンスで一球を逃さないでしっかりと打ち返すことだったり、追い込まれても粘って、次に繋ぐ意識をもって心がけています
——森下選手、北村(恵吾=商4・近江)選手の後を打つこともあったが
二人が勝負を避けられて自分に回ってくることもあって、そういう場面では自分が返さないといけないという意識でやっていましたし、自分が打ち損じてしまっても次のバッターに繋ぐっていうのを心がけていたので、ものすごくいい経験ができる打順に置いてもらったなと思います
——春に比べて成長した部分は
守備での送球、捕球の安定性だったり、よく周りが見えるようになりました。春は慣れないなかセンターで守ってて、センターの大変さをわかったうえで秋にライトを守ったので、春にいろんな人に声かけてもらってありがたかったので、秋は自分もセンターやレフトに声をかけるようにしました
——チーム内でライバル意識する人
同級生の繁永(晟=商1・大阪桐蔭)はずっと一緒にでてきて、今季はベストナイン取って自分より一歩以上、先を行っているので、追いかける形になるけど来季は自分もタイトルとれるようになりたいです
——最後に春での目標をお願いします
春では日本一を大きな目標として置いて、そのためにできることを、一年でできなかったことをできるようにして、チームとして勝ちにこだわっていけたらいいかなと思います。個人としてもタイトルとか取れるようになってチームに貢献できる選手になっていきたいです
◇皆川岳飛(みなかわ・がくと)◇
学部学科:経済学部・経済学科
身長・体重:181㌢・77㌔
出身高校:前橋育英高校