2022年12月2日 愛媛・坊っちゃんスタジアム
明治神宮大会も高校の部は大阪桐蔭高校、大学の部は明大の優勝で幕を閉じ、アマチュア野球界もオフへ突入しようとしていた頃、来年の大学野球日本代表候補が松山に集結。12月の寒空の下、各連盟を代表する選手たちが自身のアピールとともにお互いのレベルアップを図るため、切磋琢磨(せっさたくま)しあっている。初日となる今日は本来3日目に予定していた6イニング制の紅白戦を雨を考慮して前倒しで実施。その中でも侍候補たちは対応力の高さを見せつけた。
▲ピッチング談義を交わす、細野(東洋大)と武内(国学大)と常広(青学大)
この合宿では前年度の投手・野手キャプテンが3日間通してキャプテンを務めるというシステムから代わり、日替わりでキャプテンを交代するというシステムを採用。初日は「夏のハーレムベースボールウィークでMPP賞をもらって元気もある。元気のいい選手にしたかった」(大久保代表監督)という理由から辻本倫太郎(仙台大)をキャプテンに選出。指揮官たちの狙い通り辻本はアップが始まる際から率先して元気を出し、チームを鼓舞。「みんながやりやすい環境を作りたかった」(辻本)と初日のキャプテンは振り返った。
▲キャプテンを務めた辻本(中央)
アップが行われた後、シートノックを行い、各投手が2イニングずつ投げて交代する紅白戦へと入った。なかなかヒットも生まれず、ハイレベルな対戦が続く中で一際存在感が目立ったのは最速151㌔右腕の谷脇弘起(立命大)だった。
この日は登板した6投手の中で最速タイとなる149㌔をマークしたほか、打者6人に対して三者連続三振を含む4奪三振。谷脇は「全国トップレベルの選手から4つ三振を奪えたのは自信になった」と手応えを口にした。
▲安定した投球を見せた蒔田(明大)。明大のエースナンバー「11」を背負いたいと語った
その他にも明治神宮大会で優勝した明大の蒔田稔も安定した投球を見せ、普段はチームメイトである宗山塁(明大)、上田希由翔(明大)とも対戦し、軍配は蒔田へ。蒔田は「(宗山と上田の2人が)自分に花を添えてくれたかな」と報道陣を笑わせた。
この日登板のなかった西舘勇陽、大栄陽斗の2人も「紅白戦での配球であったり各ピッチャーのマウンド捌きなど、見て感じることは多いと思うので良いと思ったことは吸収したい」(西舘)、「この合宿では、自分のレベルがどれだけ通用するのか試していきたいのに加えて、自分にはないことをたくさんの選手に積極的交流して成長できれば良いかなと思います」(大栄)とこの合宿の目標を語った。
▲入念にストレッチを行う西舘と大栄
大久保代表監督は合宿の初めに「アメリカの地で勝ったのは1度だけ。ぜひともこのメンバーでアメリカの地で勝ちたい」と語っていた。この合宿に参加する44人は大久保代表監督の願いを叶え、異国の地での勝利を掴むため、まずは3日間凌ぎを削る。
◆コメント◆
西舘勇陽選手
──今日を振り返って
集合の時など最初はとても緊張しましたが、いろんな選手と話してそこの部分は解消出来たと思います。ピッチャーのキャッチボールや野手のシートノックを見て明らかにレベルが高かったなと感じました。自分もこれからもっと頑張らないといけないなって思います
──今日印象に残った選手
印象に残ったというよりかは話ができて嬉しかったのが東洋大の細野晴希選手です。春の入れ替え戦で投げ合って目の前で凄いピッチングを見たので、その時の話だったりを話せたので嬉しかったです
大栄陽斗選手
──今日を振り返って
緊張もあったりしましたが、東都の人たちと交流できてたくさんのことを話すことができて良かったです。試合ではすごい投手ばかりなので良い刺激になりました
──今日印象に残った選手
印象に残った選手は、名城大の松本凌人選手で、変則的なフォームから力強いストレートやキレのある変化球を投げていたので単純にすごいなと感じました
(記事、写真:為谷楓太)
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