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インカレバスケ直前特集① 「去年の借りを返す時」ー渡部琉選手独占インタビュー

ついに明後日、日本一をかけた挑戦が幕を開ける。中大はオータムリーグで七位に滑り込み予選リーグ・一回戦なくして二回戦から登場する。昨年は河村勇輝(現横浜ビー・コルセアーズ)、大倉颯太(現千葉ジェッツ)らスター選手を揃えた大学バスケ王者東海大に対し、試合終了残り約一分で最大14点差を逆転するも再逆転を許し敗戦、ベスト8に終わった。悔しさを胸に歩んだ今シーズン、春の新人戦では三位、スプリングトーナメントでは東海大を撃破、オータムリーグではどんな強豪チームに競り合う強さを見せつけ2年連続勝ち越しと着実に成長を見せている。そして迎えた今シーズンの集大成の場となるインカレ。選手たちはどのような思いでむかえているのか、チームの核となる二人の四年生に話を伺った。

一人目は中大のエース渡部琉(商4)。昨年、オータムリーグ得点王に輝いた大学バスケ界No.1スコアラーは今年も輝きを放ち、オータムリーグで日本人選手トップの411得点を叩き出した。アウトサイド・インサイド両方から得点を量産し、192㌢の恵まれた体格を活かした献身的なリバウンドでもチームに貢献する。プロからも注目される逸材の最後のインカレ―。中大スポーツ独自の視点で掘り下げていく。(取材、構成:江渕光太)

※取材は11月22日に行ったものです。

 

決して驕らずに

ーーオータムリーグの得点ランキングで日本人選手トップを記録
去年からチームのエースという役割を持たせてもらってるなかで、数字として残せたのは良かったと思います。ただ中大の特性としてかなり自分がボールを持たせてもらってる部分があり、他のチームと訳が違うのでこの数字に驕らずにという感じです。

ーーオータムリーグで個人として成長できた点
自分のとこで得点を取るということは他のチームから対策されている中で、自分のところでらえなかったときの対応だったり、得点取ることだけでなくてその次のステップだったりで成長はできたかなと思います。

ーー留学生のいるチームに対して苦戦を強いられていた
#46吉田祟紘(商4)とかが頑張ってくれているんですけど、人数かけないと守れない相手に対して日本人選手だけで頑張ってはいるんですけど最終的には勝率は低かったかもしれません。ただ勝てないことはないです。特に日体大(大学バスケ界No.1留学生とも呼び声が高いムトンボを擁する)戦はチームでやることを徹底して勝てた試合なので、留学生への対策を徹底して勝てた試合が去年からあったので、自分としては苦手意識はないです。

▲得点能力だけでなく、鋭いドライブも渡部の持ち味の一つ

課題は「オフェンス」

ーーチームとして重点的に取り組んでいること

リーグ戦を通してオフェンス力が課題としてあがりました。ディフェンス面ではみんなで頑張れたところもあったんですけど、得点のところで一個目のアクションを止められたら二個目のアクションをどう出るのかといったところを重点的にやってます。

ーー個人として意識して練習していること

決定力、制度を上げることです。あともう一つは自分がボールを貰えなかったときの判断ですね。この二つは徹底してやってます。

ーー先週末、白鴎大・大東大と練習試合をされていた。そこから得られたものは

どちらとも留学生がいるチームで、ディフェンス面はうまくいったところもあるんですけど、オフェンス面では60点を超えられないというところがありました。まだ二週間あるので、オフェンスの課題を修正してっていうところですね

▲タフショットも難なく沈める

カギとなる二つの要素

ーー留学生対策ではどのようなことを行なわれているか

リバウンドのところは人数かけて、頑張って走って下で取るというところは前からやってます。最近やってることは留学生を外に出してなるべくペイントに入れずにそこでコンタクトしてフラストレーションを溜めさせて思うようにプレーさせないことを意識してます。

ーー渡部選手から見て、この選手がインカレでカギになりそうだなと思う選手

それは#13小川翔矢(法2)ですね。リーグ戦けがで途中離脱してしまって、試合出れずに悔しかったと思います。小川が入ると得点力も上がりますし、得点のバリエーションも増えてくると思います。まだ2年生ですし、小川かなと思います。

▲今年の新人戦の日体大戦では30得点をマークした小川

これは「運命」

ーー昨年のインカレはベスト8で東海大に惜しくも敗退。今率直に振り返ってみて

去年の東海さんはメンバーもBリーグ行った選手も何人かいる中で自分としては最後のほんとに少しの時間しか得点できなくて、エースを任せられてる中で、勝たせられなかったのは非常に悔しかったです。ただチームとしてはほんとに自分たちのペースで試合ができていたので、悔しかったことは悔しかったんですけど、チームとしてはやりたいことができて終わったのかなと思います。

ーーその東海が一回戦に勝てばニ回戦に待ち構えている。心境は

去年のインカレ負けたのもそうですし、リーグ戦は一勝一敗で二巡目は悔しい負け方をしてます。これはなんか運命じゃないですけど、去年の借りを返すいい機会だなと思いました。

▲昨年のインカレで悔しさから涙を流す渡部

笑って終われるように

ーーチームとしてとしての目標

創部100周年で日本一になろうという目標を掲げた中で、自分としては去年のベスト8から一気に優勝というよりは、日本一を見据えた上でのベスト4、準優勝が狙いだと思っています。もちろん日本一を狙うんですけど、来年につながるような戦いにしたいです。最低限東海大を倒してベスト4に入りたいと思います。

ーー個人としての目標

自分が云々というよりチームが勝てばそれでいいです。最後にチームが笑って終わるか泣いて終わるか。そこが自分としても大事かなと思います。チームに徹してチームを勝たせるために、チームの目標を達成できれば自分としては満足です。

ーー大学バスケ最後の戦い。このインカレへの思い

自分たちができることをやって、悔いはないって言えるくらいチーム全体で戦って、その結果ベスト4や優勝で終われればベストだと思います。チームが気持ちよく終われるように自分で心がけたいです。チームの強さも数字的にも残ってきてどんどん上がってきているので、ここで途切らせることなく必ず上位を倒して終わりたいなと思います。

誰よりも強いチームファーストの精神を持ち続ける渡部。その分昨年の悔しさを誰よりも知る。1年越しのリベンジのため、チームメイトがまだ見ぬインカレベスト4という新たな世界のため。どんな輝きを放ってくれるのだろうか。”中大エース”渡部の最終章の幕開けだ。

 

◆渡部琉プロフィール◆

わたなべ・りゅう 平成12年10月3日生 埼玉県出身 正智深谷高卒 192㌢・85㌔