悔しさをバネに
いよいよ明日、第46回全日本大学選手権大会が行われる。会場は埼玉県戸田市、戸田ボートコースだ。
ボートで大学日本一を決める大会、中でも花形競技エイトでは悲願のインカレ制覇に向けて期待がかかる。昨年は決勝の舞台に立ち壮絶な優勝争いを繰り広げるも優勝には一歩及ばなかった。メダル獲得という素晴らしい結果にもかかわらず悔しさを滲ませている姿が印象的だった。
▲昨年のインカレ、3位に終わり悔しさを滲ませるクルー
昨年の悔しさをバネに、そして理想の漕ぎである「強く、大きく」に磨きをかけるために、貪欲に練習に励んだ選手。5月、新たなクルーで挑んだ第92回全日本選手権大会のエイトでは、社会人を交えた大会ながら大学生チームとして唯一、決勝に駒を進めたりと活躍を見せた。
新たな漕ぎを手にするために
現在世界のボート競技においてイギリスと合わせて2強と称されるドイツ。欧州が発祥のボート競技、本場のローイングを直で体感し、新たな漕ぎを得るため今年6月、選手たちはドイツへ1週間の遠征に向かった。百聞は一見にしかず、毎日ビデオで見ていた欧州の選手も実際に目の当たりにすると全くの別物。レベルの非常に高いドイツ選手の漕ぎに選手一同が驚愕する日々。
天候が荒れていてもまっすぐ漕ぐ力、体を前に持っていく動作だけでなく、後ろに行く動作も意識することで以前よりも「長く漕ぐ」ことを実現させる新たな漕ぎのヒントを得た。ドイツ、ラッツェブルグで行われた国際大会にも参加し、多くの収穫を得て1週間の遠征を終えた。
▲本場の選手との記念撮影
五輪コースでの確かな実感
ドイツで得た新たな漕ぎ、それをはじめに実践する大会となったのが、6月16日に行われた「海の森水上競技場」完成記念レガッタだ。オリンピックコースの完成を記念したこの大会ではケンブリッジやオックスフォードといったボート競技の名門大学を招いてのレースとなった。中大はその2大学を抑えて2位でゴール。ドイツで得た新たな漕ぎについて主将是谷(法4)は「前半はできていたが後半から少しづつズレが出てきてしまった。これから精度を上げていきたい」と語った。未完成ながらも新たなスタイルで以前よりパワーアップしている実感を得た大会となった。
▲早朝から荒川で練習するエイト
悲願の優勝へ
連日猛暑が続く中、最後の調整に入るエイト。何度も繰り返し練習して完成された新たな漕ぎで、日大を始めとする強豪が集う大学選手権で悲願の優勝なるか。猛暑に負けない熱い戦いが明日から始まる。