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上野優佳が初の日本一!! 決勝の代替試合でも強さ見せたー第74回全日本フェンシング選手権大会

2021年11月6日 六本木ヒルズアリーナ

国内最大の大会で上野優佳(法2)が初優勝を成し遂げた。決勝戦は東莉(明治安田生命)がけがによる欠場のため不戦勝となったが、代わりに行われたスペシャルマッチで前回大会女王の菊池(セガサミーホールディングス)に勝利し、堂々の優勝となった。


▲皇后杯とメダルを手に東莉と並ぶ上野(右)

予選は9月18日に行われた。五輪後はこの全日本選手権に照準を合わせて練習を続けてきた上野は予選1回戦はシード。2回戦と3回戦は早大の選手二人を破って勝ち進むと、準決勝では上野と同じく五輪代表の東晟(日体大)を破った伊達(日体大)を破り決勝へと進出した。決勝は本来、開催予定の10月から延期になって、1カ月以上も間が空いた11月6日に開催となっていたが、東莉がけがによる欠場のため、不戦勝で優勝が決まった。


▲決勝の舞台はフェンシング界でも異例の野外会場

11月6日には決勝戦の代わりに菊池とのスペシャルマッチが行われた。菊池は準決勝で東莉に負けているが、若手の実力者。優勝を決めている上野もこれからの代表争いなどを考えると、負けられない一戦だった。開催場所は六本木の野外のアリーナ。異例の屋外開催となった。


▲相手の懐へもぐってポイントを狙う上野

序盤は取って取られての展開。2-4と離されそうになったところも、足腰を使ったフットワークと巧みな駆け引きを見せてポイントを奪っていき、4連続ポイントで6-4と逆転に成功。第1ラウンドの3分が経過した。その後も拮抗したが、攻めの姿勢を見せた上野がポイントを重ね、3点差の11-8で第2ラウンドが終了する。一気に引き離して勝利したい上野だったが、残り1分で12-12の同点に持ち込まれる。菊池に上手さを見せられ一時リードされたが、追いついて13-13で時間切れとなった。延長は先に決めた方の勝利となる一本勝負となったが、上野は攻めていき最後にはポイントを奪って勝利。気迫の雄たけびをあげた。


▲吠えて気迫を見せる場面。勝利への執着心も魅力の一つだ

優勝は決まっていたが、スペシャルマッチでも優勝者にふさわしい戦いぶりで見事に勝利し、完全な日本一を達成した。


▲試合に勝利しガッツポーズと笑顔を見せた

◆大会結果◆

❶上野
②東莉
③菊池、伊達

【試合後会見】

今日を振り返って
「決勝の相手がけがをしてしまって、試合ができない状況の中、相手をしてくれた菊池選手に本当に感謝したいですし、あの舞台で、一本勝負という中で勝ち切れたというのはすごくよかったなと思います」

不戦勝という形でしたが
「やっぱり試合をしたかったなという気持ちが強いので、不戦勝に関しては素直に喜べないという気持ちが一番強いんですけど、やっぱりあそこで勝てたので、優勝の価値はあったのかなと思います」

次のタイトルに向けては
「これからワールドカップやグランプリが始まってくるので、そこでまだ取ったことないメダルを獲得したいなという気持ちはありますし、来年の世界選手権でメダルに食い込める試合をしたいとは思っています」

世界のトップとの距離
「コロナの影響で海外の選手と試合ができない状況が続いているので、海外の選手との距離は答えるのは難しいところなんですけど、こうやって全日本選手権で優勝できたということは自分の自信にもなりますし、これからは国内だけでなく世界で戦って戦っていけるように実力だったり、自分のメンタルだったりというのを磨いていかなければならないなと思います」

今日の試合の内容
「自分の持ち味であるアタックというのを、普段一緒に練習している相手に対して、手の内がわかっている状況の中で、どれだけ点数を取れるかというところは鍵になっていたと思うので、今回そこでたくさん点数取れたというのは自分の自信にもつながりましたし、逆にディフェンスの方でやられてしまった部分があったので、そこは反省点だなと思います。」

一本勝負のところ
「相手に攻め込まれて点数を取るということが多かったので、最後は一番練習で決まっている技というのを自信を持って打つことができました」

 

〈上野優佳の五輪記事はこちらから〉
【現役中大生オリンピアン特集1】「自分の活躍でフェンシングの知名度を上げていきたい」/上野優佳が語る東京五輪、そしてパリ五輪への思い

 

記事:尾又賢司、写真:日本フェンシング協会/竹見脩吾(提供)