2022年12月11日 大阪・エディオンアリーナ大阪
大阪府立体育館(エディオンアリーナ大阪)で行われた全日本学生拳法選手権大会で、中大拳法部が12年ぶりの優勝を決めた。横井竜太主将(法4)は、この優勝について「チームのみんなに助けられて、優勝できて本当に嬉しい」と第一にチームへの感謝の気持ちを述べ、喜びを噛みしめた。
▲優勝トロフィーや賞状とともに笑顔を見せる選手たち
昨年は準決勝で優勝校の明大に敗北し、3位に終わった通称「府立」。昨年の悔しさを胸に、優勝のみを目指して今年1年突き進んできた。
試合はトーナメント制で行われ、優勝までは5勝しなければならない。大公大、関東学院大との戦いを順調に勝ち進め、準々決勝まで駒を進めた。
準々決勝の相手は、京産大。この試合では、大将戦に横井主将を配置し、大きな鍵となる準決勝に向けてさらに気合を入れ直して臨んだ。
素早く積極的な攻撃で相手を翻弄してきた竹原照真(経1)が、京産大戦体格差のある相手選手との戦いに苦戦し、3分間の試合時間で勝敗をつけることができず引き分けに終わらせるも、他の選手らが1分以内で試合を決め切るスピード戦を繰り広げ勝利を重ね、無事に準決勝進出を決める。
▲素早い動きで相手を翻弄する戦いを見せた竹原
準決勝の相手は、前年準優勝の関大。4面のコートが敷かれていた会場も準決勝では2面になり、会場には一気に緊迫感が張り詰める。試合開始前、選手たちは円陣を組み、気合を入れた。
▲円陣を組む選手たち
円陣からの勢いそのままに、先鋒の倉田要(文2)は開始20秒で右手から打撃を放ち、一本を取って戦いをリード。その後すぐさま相手に一本取り返されるも、その40秒後には体制を崩した相手の隙をついて攻撃を決め、中大に1勝目をもたらした。
この勝利によって、中大は勢いづいたと思われたが、5戦目となる三将戦終了時点で3勝2敗と試合は拮抗する。残りの2試合で確実にあと1勝しなければならないという中大にとって今大会1番の崖っぷちに立たされる。
この状況の中、副将戦に出場するのは横井。開始15秒、自身の放った蹴りを相手に交わされ、そのまま相手の打撃が顔に入り一本目を明け渡してしまう。
しかし、再開10秒後に相手の胴にストレートの打撃を打ち込み、試合を取り返す。そして、再び放った右手からの攻撃が相手の顔に直撃。この試合の勝利し、決勝進出の鍵を掴み取った。
▲打撃をする横井
決勝の相手は、準々決勝で前回王者の明大を打倒した関学大。
倉田、竹原、松村隼佑(経4)が続けて勝利し、優勝まで残すはあと1勝と順調に試合を進めた。
次の中堅戦に広兼蓮(商3)出場。開始6秒という早さで、相手の打撃を受けてしまい、一本を取られる。しかし、10秒後に広兼は打撃によって反撃。戦いを振り出しに戻した。
そして、場外のチームメイトが見守る中、広兼が振り上げた足が相手の顔面に決まり、中堅戦の勝利の旗が中大に上がった。この瞬間、中大の優勝が決定し、会場は歓喜に包まれた。
戦いを終えた広兼は静かに礼をし、場外に控える選手たちのもとに戻ると喜びを分かち合った。
しかし中大は勝利は決定しているものの、まだ三将、副将、大将の3選手の試合が残っている。最後の力を振り絞る関学大は、三将戦、副将戦を連続で勝ち取った。
勝利で終わらせたい中大の大将戦に、横井主将が出場。最初に一本とったのは、試合の流れをつかんでいた関学大。再び関学大は歓喜し、中大に不安をもたらす空気が流れる。しかし、すぐさま横井主将が一本取り返す。そして、対局が再開された瞬間に横井は攻撃を仕掛け、伸ばした腕は相手の頭部に。その瞬間中大勝利の判定の旗が上がった。
横井主将は場内では喜びを表現することを抑え、静かに礼をして場外へ。
横井主将を待ち構えていた仲間たちと抱き合い、涙と共に喜びの感情を溢れさせた。
▲戦いを終えた横井主将に駆け寄る選手たち
この大会では、優勝決定直後に優勝校は校歌斉唱をする。横井主将をはじめとする選手たちは、涙ながらに中大校歌を歌い、改めて優勝校としての誇りと喜びを噛み締め、長い一日の戦いを締めくくった。
▲喜びの涙とともに校歌斉唱をする選手たち
◆試合結果◆
❶中大②関学大③関大
◆コメント◆
横井
──今の率直な感想
本当にチームのみんなに助けられて。優勝できてとても嬉しい
──この大会に向けてどのような1年間を過ごしてきたか
優勝するために今までと比べ物にならないくらい練習してきました。それがやっぱりこうやって結果として現れて本当に嬉しい
──決勝にはどのような気持ちで臨んだか
もう最後はもう勝たしてくれと、みんなでお願いしていました
──自身以外で印象に残っている選手は
同期の松村が全勝でずっと勝ってきてくれたので心強かった。終わって「ようやった」と言っておきました(笑い)
松村
──今の率直な感想
もう率直に嬉しいです。最後に優勝できて、本当によかったと思ってます
──どんな思いで今日の試合に臨んだ
もう自分が出る試合は全勝するのは当たり前やと思って試合に臨みました。コロナ禍もあって思うように練習もできなかったんですけど、僕らの代になってからは、そういうのもなくなって。しっかり1から 初心に戻って、トレーニングもやってきたんで、その結果がちゃんと出せ出せたかなと思ってます
──決勝の直前でチームでどんな話がされたのか
もう勝つことしかみんな考えてなくて。勝って校歌をみんなで流そうっていうのを話してました
(記事:松岡愛莉、写真:松岡愛莉)
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