2021年12月11日 熊谷ラグビー場Aグラウンド
中大一族の思いを背負って臨んだ入替戦。序盤の立て続けの失点からチーム全体で巻き返しを図り、一時は21-19と逆転に成功。しかし試合終盤に再び逆転を許し、21-26で敗戦し2部リーグ降格が決まった。中大の2部降格は初。全力で戦った選手たちだったが、実らず悔しい一戦となった。
▲試合後に涙を見せる水野(左)とWTB若松大智(法4)
今季、1部リーグ戦では2勝5敗。2戦目の流経大に勝利するなど、上位進出の兆しも見せたが、法大に敗戦以降はけが人も出るなど苦しい戦いを強いられた。昨年は入替戦を戦わなかったものの、ここ4年で3度目の入替戦に臨むこととなった。
有観客の今試合。両チームの多くのファンも駆けつける中、東洋大のキックで試合開始。お互いの気持ちをぶつけあうように声を出し合いながらの立ち上がりとなった。序盤は東洋大の勢いに押される形となり、ミスもありながら立て続けにトライを許し12点を先制される。
▲水野がスピードを生かしてトライ
前半16分には、左サイドのラインアウトからボールを失わず右へ展開。SH池田叡司(商4)が状況を読みながら左へ展開するところで、SO津田貫汰(法3)から長いパスを受けたCTB水野陸(文2)が相手ディフェンスのギャップをつき抜け出してトライ。7点を返して7-12となる。
しかし26分には自陣で相手ボールのスクラムから左へ振られ、中央付近の穴を抜け出した神田(東洋大)のトライで7-19と引き離される。
29分には津田の22メートルラインよりも相手側へバウンドさせながらタッチの外へ出すナイスキックからチャンスを作るが、得点はできず。その後の前半ラストプレーでは左サイド、WTB竹ノ内建太(経4)が抜け出すとフォワードで押していきFL山本大二朗(商4)、PR茂原隆由主将(経4)と体を張ってフェイズを重ね、最後はLO市川大喜(文4)がオフロードパスでNo.8山﨑成太(法3)にボールを繋げて見事にトライ成功。津田もキック成功で14-19と最後の最後で後半につなげる大きな得点を挙げた。
▲フォワードの必死の繋ぎから最後に山﨑成が決めた
後半開始直後は両者得点なく、後半9分には山本が自陣ゴール付近のターンオーバーで危機を救うなど粘りも見せながらゲームを進めた。相手がリードしていながらも徐々に中大のペースをつかんでいく。
17分には相手陣地での相手のノックオンでチャンスを作ると、中央で押し込みながら攻めていき、最後は市川からボールを受けたHO光安喬平(法1)がトライ。津田もキックを決め、21-19と逆転に成功。
▲光安のトライに喜ぶ選手たち
24分、自陣深くまで攻め込まれた際にFL吉田幸司(文2)のターンオーバーで自ボールとするもインゴールエリアでのパスがずれ、相手にカットされてそのままトライ。再び逆転を許してしまう。
35分には相手のコラプシングで得たチャンスから、フェイズを重ね続けて4分を超える猛攻で力を出し尽くしたが、最後はノックオンで相手ボールとなり、陣地を取り返される。その後も相手が倒れ込んで時間を上手く使うなど、ロスタイムの5分を生かすことができずに21-26で敗戦。2部降格が決定した。
2018年、2019年と入替戦を戦い、勝利してきた中大だが、今シーズンは惜しくも敗戦。一度も2部降格のない中大ラグビー部の底力と意地を見せたかったが、1部を戦った中大の真価を発揮することができずに苦汁を飲む結果となった。
▲試合後は悔しさで崩れ落ちる選手も
今季はフォワードの光安や山﨑祥希(経1)ら1年生が全試合先発出場。津田やバックスの水野など、下級生の活躍も目立った。今季得たものを来季に生かして次シーズンは即復帰へ、もう一度1部で戦う姿を見せてほしい。
松田監督コメント
「今日は素晴らしいグラウンドでできたこと、また東洋大学とできたこと、まずはそこに感謝したいと思います。本当にこの1年間を通して、厳しい1年間だったと思います。選手たちのポテンシャルを100%、120%出してあげられずこのような形で1部から2部へという状況を招いてしまったこと、申し訳ないなと感じております。そのような中でも選手たちは東洋大学さん相手に戦ってくれたのではないかという風に思います。試合の内容に関しては東洋さんの方が『勝ちたい』『上がりたい』という気持ちが一つ強かったのではないかなと思います。非常に残念な結果にはなりましたが、ここで得たものを必ずラグビー以外にも反映させて頑張れるように選手たちにはなってもらいたいです。私自身はOBの方々、大学関係者の皆さまに申し訳ないなと思っているところであります。今日はありがとうございました」
茂原主将コメント
「今日の試合、入替戦は死闘になることは選手一同わかっていたので、勝ちたいという気持ちを前面に出そうと1週間やってきたところでした。一つ一つの局面で自分たちのミスから相手に攻め込まれてしまったところは本当にフォーカスしていくべきところだと思います。本当に1年間、自分が甘かったと思います。中大の歴史の中でも本当に申し訳ないと思っております。後輩に1部の場を残せなかった責任を背負って、後輩に対してサポートしていき、責任を持って行動していくということがこれからやるべきことだと思います。過去には戻れないので、自分が責任を引き受けたいと思います」
◆試合結果◆
●中大21(14-19、7-7)26東洋大〇
記事:尾又賢司、写真:町田航太