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5力士が全国大会出場! 田中監督「すごく明るい未来」ー第51回東日本学生相撲個人体重別選手権大会

2024年7月28日 東京都・靖国神社相撲場

真夏の太陽降り注ぐ中、中大相撲部は第51回東日本学生相撲個人体重別選手権大会に出場。中大からは計4階級に12名がエントリーし、うち5名が全国大会への切符を手にした。

・115kg未満級

岡田一心(文2)、久保勇斗(文2)が出場。
1回戦、岡田は鈴木(早大)との一番に臨み、押し出しで勝利を飾ると、勢いのまま、2回戦の竹林(立大)との一番でも一方的に押し出しで勝利を飾った。3回戦では満上(日体大)との一番となったが、ここでは、押し出しで敗戦してしまい、岡田は3回戦敗退という結果に終わった。


▲奮闘する岡田

2回戦から登場の久保は、田崎(日大)との一番に臨んだ。しかし、相手に押し込まれ押し出しで敗戦を喫し、2回戦敗退となった。
この階級から全国大会に出場を決めた中大力士はいなかった。

・135kg未満級

岩月徹平(法2)、田中颯太(文1)が出場。
1回戦、岩月は相田(大東大)と対戦。ペースを終始つかんだ岩月は上手投げを決め勝利。しかし続く2回戦、相手となった伊良部(日大)のまわしをつかみ投げの態勢に入るも寄り切りで敗退した。
田中は山下(東農大)と1回戦を戦った。土俵際で粘られる一幕もあったが力で押し切り、寄り切りで勝利した。2回戦では花岡(日大)と対戦。相手の投げをかわし切れず上手投げで2回戦敗退となった。
なお、岩月は、2回戦で敗れた計8名トーナメントを行い、勝ち残った4名が全国大会への切符をつかむことができるという全国大会出場決定戦に出場し、叩き込みで勝利。全国大会出場が決まった。

▲全国大会出場を決めた岩月

・135kg以上級

西本渉真(文2)、市川太陽(法3)、宮崎悠陽(商1)、竹田連汰朗(法1)が出場。
1回戦、西本は菅原(東洋大)との一番に臨む。相手を土俵際まで押し込むも、まわし掴まれ苦しい展開に。上手投げで敗れ、初戦敗退となった。
2回戦より出場した宮崎は前田(拓大)と対戦。立ち合いから両者激しくぶつかり合い、勝機を狙う。相手の突きをうまくかわし、送り出しで勝利した。
同じく2回戦より出場の竹田の相手は松澤(東農大)。立ち合いから強烈な突き押しがさく裂し、相手に攻撃の隙を与えず。押し出しで完勝した。「(前回大会の)金沢の時は足も出ていないし、上体起き上がっちゃったんですけど、今日は結構上体起こさず相撲をとれた」と竹田は稽古の成果を実感した。
こちらも2回戦より出場の市川は体重180㌔を超える新川(日体大)と激突。相手にまわしを掴まれ、一気に土俵際まで追い詰められるも、執念のうっちゃりが飛び出した。審判団から異議申し立てがあり、2分間の協議が行われるも軍配変わらず市川の勝利。土俵際の大逆転劇が生まれた。


▲土俵際、うっちゃりで逆転勝利を決める市川

これより3回戦、宮崎は新人戦3位の実力者、五十嵐(東洋大)との勝負になる。この一番も激しく突き合う一番となるが、相手に前まわしを許してしまい思うように攻められず。押し出しで敗北。
続く竹田の3回戦も三上(東洋大)を突き出そうとするもすぐさま組まれてしまい、相手のペースに。上手投げに屈し、ベスト8進出とはならず。
3回戦の最後に登場した市川は平河(東洋大)に対して低い立ち合いで攻め立て、一気に土俵外に押し倒そうとするも相手の突き落としでほぼ同時に崩れる。軍配相手方に上がり2戦連続審判団協議となるも、ここは軍配通り平川の突き落としとなり、135kg以上級でのベスト8進出はかなわなかった。

全国大会出場決定戦に、予選で敗れた3名、市川、宮崎、竹田が挑む。出場者計8名の中、勝ち抜いた3名が全国大会出場できる。
しかし、宮崎は成田(日大)の圧力で土俵際まで寄られ、最後は上手投げで圧倒されて黒星を喫した。
竹田はじりじりと相手を土俵外に押し出そうと追い詰めるも、白神(東洋大)に左腕を抱えられていた。小手投げで敗北し悔しい表情を見せた。「勝てたなと思って(そういう表情に)。全然勝てる相撲だったので、悔しかったです」と振り返った。


▲全国大会出場決定戦で、竹田は突き落としで敗れる
残す市川はデルゲルバト(日体大)の強烈な押しに屈してしまい、一瞬の決着。押し出しで敗れ、この階級中大からの全国大会出場者は現れなかった。

 

・無差別級

主将の久保海心(文4)、吉野一颯(商3)、田村吏玖(法3)、兼田尚柔(法1)が出場。
1回戦は兼田と吉野が登場。
兼田は相手の棄権により不戦勝で勝利。
吉野は立ち合いからわずか2秒、突き落としで勝利した。
2回戦は前出の2人に加えて、久保と田村も登場。
久保は「前回負けていた相手だったので、思い通りに勝ててよかった」と突き落としで勝利。立ち合いからすぐに土俵際まで追い込まれたが、対策が功を奏した形となった。

▲主将の久保は、前回敗北した相手に勝利し、雪辱を果たした
兼田は、相手のまわしを取ってからは攻め続け最後は上手投げにて勝利した。今日の試合を振り返り、「棄権というラッキーなこともあった。次は実力で勝ちたい」と次戦を見据える。
吉野は「今日は体の反応が良かった」とこれまた立ち合いからわずか2秒ほどで勝利した。
田村は立ち合いから不利な状況となり、終始相手のペースとなってしまい寄り切りで敗戦。全国大会出場決定戦で、巻き返しを狙う形となった。
この時点で、3人の選手が全国大会への切符を掴む形となった。

その後準々決勝戦が行われたが、中大勢は振るわず。久保は四つ相撲となり、拮抗するも一瞬の隙を突かれ寄り切りで敗戦。兼田は一方的に寄り切られ敗戦。吉野は「立ち合いをずらされてしまった」と自分の形には持っていけずに上手投げで敗戦を喫した一方、「新たな課題が見つかった」と前を向いていた。
全国大会出場決定戦での挑戦となった田村は、まわしをとって自分のペース。「とにかく負けないように頑張った」と寄り切りで勝利し、全国大会への出場が決定した。

この無差別級の中で、特に注目したい選手が吉野だ。身長・体重共に、一般的な無差別級出場選手には劣る。吉野の体重では、115kg未満級での出場も可能だ。本人に、なぜ無差別級で出場するのかを問うと「この体でどれだけ通用するかを試したい、そして全国優勝したい」と力強い言葉を聞くことができた。

▲あえて無差別級で出場し、体格差をものともせず実力を発揮した吉野

結果的に無差別級出場者の全選手が全国大会への切符を掴んだ。

◆コメント◆田中康弘監督

——今日を振り返って
「成績はもうちょっとよくてもよかったかなという印象はあるんだけども、だけどみんなすごく地力がついてきたなという印象があって。この春先からやってきたことがでて、すごく明るい未来というか。負けちゃったけれども自信にはなったんじゃないかなと」

——前回馬力をつけるところがポイントとおっしゃっていたが、馬力はどうつけたのか。また今回その成果は
「ひたすら下半身の運動なんですけど、今日その馬力が相手に通じる部分が多かったかなと」

——次回大会、半月後の十和田大会に向けてのプランは
「目指すは学生選手権なので、そこはただの通過点なのでそこに標準を合わせるのではなくて、選手権に行くまでの過程で十和田大会で一回その実力をチェックするみたいな感覚でいるので。特に目指しているものはありません」

——今後期待していくことは
「昔から中大の相撲はどんどん押せ押せだったので、どんどん押して中大の相撲だなとみんなにわかってもらえるように頑張りたいですね」

 

5名が全国大会への切符をつかんだ中大相撲部。普段はチームワークを売りにした団体戦が強みであるが、個人戦でも実力を遺憾なく発揮した。次戦以降、夏の稽古で今回見つかった課題を克服し、さらにパワーアップした選手の活躍に期待である。多くの人から推してもらえる「押し相撲の中大」を目指していく。

◆お知らせ◆
次戦は8月14日(水曜日)に十和田市屋内グラウンドで行われる全日本大学選抜相撲十和田大会です。

 

大会結果

初戦敗退 西本渉真(文2)
2回戦敗退 ☆田村吏玖(法3)、☆岩月徹平(法2)、久保勇斗(文2)、田中颯太(文1)
3回戦敗退 市川太陽(法3)、岡田一心(文2)、宮崎悠陽(商1)、竹田連汰朗(法1)
ベスト8 ☆久保海心(文4)、☆吉野一颯(商3)、☆兼田尚柔(法1)
※☆は全国大会出場決定者

(記事・写真:小林想・松岡明希・湊谷昂太郎・紀藤駿太)

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