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澤野、弘中ら3月選考会へ思い新た 得た収穫、見えた課題―競泳コナミオープン最終日

2025年2月16日 東京アクアティクスセンター

 競泳コナミオープン最終日は16日、当地で各種目が行われ、女子200m個人メドレーは澤野莉子(文2=イトマン東京)が2分14秒64の4位でフィニッシュした。200m背泳ぎで弘中花音(文1=イトマン東京)は2分13秒93の5位。100m平泳ぎで楠田夢乃(文1=藤村SS)は1分10秒71の7位だった。

 男子400m自由形は中山響(総2=イトマン東京)が3分54秒08の6位となった。

■澤野、久々14秒台に手応え

  (女子200m自由形決勝を泳ぐ澤野)

 3月に行われる世界水泳とユニバーシティゲームズの選考会に向け、実戦でおのおのの完成度を確認した。澤野は14秒台のタイムを出すのは1年生の夏以来だとして、「久しぶりですごく良かった」と喜びをにじませる。昨年のジャパンオープンから課題と口にしていた背泳ぎと平泳ぎについてもコーチと話し合い、練習を増やしたという。その効果か、1月にあった北島康介杯でのタイムと比べると平泳ぎは1秒近く縮め、「ちょっと成果は出てきた」とうなづいた。

 前日の200m自由形では、予選で1秒台を狙っていた中で2分1秒28の好タイムに「もしかしたらベスト出るんじゃないか」と期待を寄せた。結果は2分0秒94の3位と、ベストにはわずかに及ばなかったものの「0秒台で全然悪くはないので良かった」と手応えをつかんだ。

■弘中「自分に腹が立った」100背の反省糧に200へ

  (女子200m背泳ぎを泳ぐ弘中)

 「自分自身に腹が立った」。200m背泳ぎの予選を終えた弘中に泳ぎの感触を尋ねると、開口一番、前日の100mの結果についてこう言及した。1分3秒63の13位。今年度の大会記録の中で3秒台は今大会を含め3回、その中でも最も遅いタイムだった。本命種目は200mだが「なんでこんなに遅いんだろうっていうか、悲しいというか、悔しい、腹立たしい」と次々と感情が溢れてきた。初日のレースを終えた弘中は、その後の時間を使って「コーチと一対一で話をして、明日へ向けてどう切り替えていくかと、練習状況をもう一度振り返って、午後ダメだったところはすべて修正して立て直し」た。2日目の朝もキャッチ、テンポ、ローリングといった細かい部分を修正。そうして臨んだ200mの予選後には「昨日の反省を生かした泳ぎは少しはできたかなと思います」と振り返った。

 決勝では、予選で掲げた13秒台の目標をひとまずクリア。「(タイムを)上げられたことには、ちょっとほっとしてしまっている」と安堵(あんど)した弘中だが、続けて「このタイムではやっぱり戦うことはできない」と気を引き締める。

 「あと1カ月で変わることもできると思うし、やれることはたくさんある。不安や悔しさがいろいろこの大会はあったんですけど、それをすべてぶつけるぐらい、〝終わり良ければすべて良し〟じゃないですけど、3月しっかり戦って勝つことができるように、この残り1カ月必死に頑張りたい」

■メンタル強化、異口同音「自分の泳ぎ最後まで」

  (女子100m平泳ぎを泳ぐ楠田)

 弘中は技術面だけでなく、メンタル面での課題も挙げた。「背泳ぎに対して怖さがある」。泳ぐ前に不安になりがちだったり、泳いでいる中で周りを気にしてしまったり――。気持ちで負けたことで、結果でも負けたことが少なくなかった。「いくら技術を上げても気持ちが最後持っていってしまう。自分に勝てるようにしていきたい」と力を込めた。

 精神面については楠田も同じように話していた。北島康介杯の200m平泳ぎでは、準優勝ながらベストから2秒強離れたタイムに「普段と違う泳ぎをしてしまって、うまくいかなかった」と反省する。3月は派遣がかかる中で、より大きな緊張やプレッシャーが予想される。「その時に自分の泳ぎが最後までできるようにしていきたい」

■1500自で好調の中山、ユニバーシティゲームズ代表目指す

  (男子400m自由形を泳ぐ中山)

 中山は「53秒台を出したかった。ラストは上がったが中盤はいつも通り泳げなかった」と振り返った上で「3月の選考会では中盤もうまく泳いで、ラストしっかり上げられるように鍛え直したい」と強調した。選考会では得意とする1500m自由形でベスト更新とともに、ユニバーシティゲームズの代表入りを目指すほか、400mと800mではベスト更新を狙う。

 北島康介杯では1500mで準優勝の成績を残し、3位入賞したジャパンオープンに続くメダルとなった。タイムは30秒を切ることが目標だと中山。直近の主要大会では、▽15分23秒05(ジャパンオープン)▽15分27秒73(北島康介杯)▽15分29秒51(コナミオープン)―と好調な様子を見せている。ジャパンオープンで変更した泳ぎ方は継続中。自分に合った泳ぎ方を見つけられたことで「安定して20秒台で泳げているのかなと思う」と分析した。

■予選結果一覧

名前種目タイム順位
澤野莉子
(文2=イトマン東京)
女子200m個人メドレー予選2:15.993位
(決勝進出)
光永翔音(商1)男子100m自由形予選51:3221位
小山陽翔(法3)51:4123位
弘中花音
(文1=イトマン東京)
女子200m背泳ぎ予選2:14.852位
(決勝進出)
矢澤祥太(商3)男子50mバタフライ予選25.2326位
楠田夢乃
(文1=藤村SS)
女子100m平泳ぎ予選1:10.307位
(決勝進出)
中山響
(総2=イトマン東京)
男子400m自由形予選3:55.334位
(決勝進出)
長森流楓
(文2=イトマン東京)
女子200mバタフライ予選2:14.849位
松原晴太(商3)男子200mバタフライ予選2:05.6226位

決勝結果一覧

名前種目タイム順位
澤野莉子
(文2=イトマン東京)
女子200m個人メドレー決勝2:14.644位
弘中花音
(文1=イトマン東京 )
女子200m背泳ぎ決勝2:13.915位
楠田夢乃
(文1=藤村SS)
女子100m平泳ぎ決勝1:10.717位
中山響
(総2=イトマン東京)
男子400m自由形決勝3:54.086位

(記事:桑沢拓徒、写真:浅野詩多・塚越香都)