５月16、17日 港区スポーツセンター
５月10日から行われている春リーグも残すところあと２戦。「優勝」の二文字だけを意識してここまで戦い続けてきた選手たちは、ついに最終決戦の舞台に立った。
第６戦 対青学大
16日の対戦相手は中大の宿敵・早大から白星を勝ち取った青学大だ。第１シングルスの瀬山咲希（文４）が３－０のスコアでストレート勝ちを収め、この日も先週同様に中大は順調なスタートを切った。
第２シングルスには山本笙子（法３）が登場。僅差の接戦の中、着実にポイントを重ね瀬山と同様にストレート勝利を飾った。
▲今春に成長が著しく感じられた山本
ダブルスは森田彩音主将（法４）・梅村優香（文２）組が出場した。第２ゲームこそ奪われたものの、息の合ったプレーで終始相手を圧倒し、ゲームカウント３－１で勝利。試合の決着は第３シングルスの森田主将に託された。
▲学年は異なるが、息の合ったプレーを見せる梅村（左）と森田（右）
チーム全員の思いを胸にコートに立った森田主将は冷静だった。相手は森田と同じ帝京高出身の石川。そんな実力者を前に終始優位な戦いを繰り広げた森田主将は３－０で快勝した。
これで開幕６連勝と負けなしの中大は早大との頂上決戦を迎えることになった。
第７戦 対早大
ついに迎えた最終決戦。運命の対戦相手は昨年の春・秋リーグ、インカレ全てで中大の前に立ちはだかり、あと一歩というところで競り負けてきた早大。「今年こそ」はと闘志を燃やし練習を重ねてきた選手たちだったが、その思いはまたしても早大の前に砕け散った。矢島監督は「今のままじゃまだまだ優勝できるチームじゃないというメッセージだったのかもしれない」と話した。
戦いの火蓋を切ったのは瀬山。４年生として優勝に向けて流れを作りたい瀬山だったが、強気で向かってくる早大岩越の前に思うようなプレーができない。大事なところでのミスも重なり、なんとか１ゲームを取ったものの１－３と敗れてしまう。
▲リードしたいところだったが、苦しい試合となった瀬山
なんとか勝って追いつきたい第２シングルスには山本が出場。しかし山本も相手の勢いに押され、本来の自身の卓球ができない。反撃のチャンスを作れず、０－３のストレート負けを喫した。
負けられない第１ダブルスに出場したのは悔しい思いをしたばかりの瀬山・山本組。二人は先ほどのリベンジを果たすべくコートに立った。相手は先ほど対戦したばかりの岩越・笹尾組。意地と意地のぶつかり合いとなった試合は、勢いが止まらない早大に成すすべなく、０－３で敗戦となった。
後がない第３シングルスを託されたのは梅村。２年生ながら戦力としてチームに貢献してきた梅村に流れを変える試合が期待された。梅村の積極的なプレーと集中力が光り、確実に第１ゲームを先取する。勢いそのままに連取したいところだったが、早大の主将鎌田が意地を見せる。ここぞというところでポイントを奪われ、惜しくもこのゲームを取られる。重要な第３ゲームは両者点の取り合いとなり、一歩も譲らない展開に。粘り強く戦うも、最後は主導権を握られ力尽きた。
▲執念で粘り強く戦った梅村
昨年の団体戦で人一倍悔しい思いを経験してきた中大。その思いを晴らそうと意気込んだ春季リーグだったが、またも早大がその壁を破らせてはくれなかった。何度も中大の前に立ちはだかった早大との決戦に瀬山は「いつもここで負けているという気持ちから硬くなってしまった」と振り返った。矢島監督は「これが勝負の世界の厳しさ。本当の怖さは何なのか明確に見えた試合。強いチームが勝つんじゃなくて勝ったチームが強い」と厳しい表情を浮かべた。続けて「チーム力をもっと上げていかなければいけない。そこがしっかりできるようになれば最強のチームになれると思う」と今後のチームに期待を込めた。
今回出場機会のなかった森田主将は冷静に「完敗」と一言。その上で「最初から最後までみんないいプレーをしてくれたが、私が主将として頼りない部分があった」と思いを吐露した。７月に開催されるインカレに向けては「（早大が勝って優勝という）流れを食い止めたい。試合の進め方や戦術の部分を強化していきたい」と話す。瀬山も「初心で向かっていけば必ず優勝できる」と決意を新たにした。
課題として浮き彫りになったのはメンタル面。その課題を克服し、インカレでは一回りも二回りも成長した姿を見せ、悔し涙をうれし涙に変えてリベンジを果たしたい。
◆試合結果◆
第６戦 対青学大
〇中大４－０青学大●
〇瀬山３－０宮﨑●
〇山本３－０三篠●
〇森田・梅村組３－１三篠・熊中組●
〇森田３－０石川●
第７戦 対早大
●中大０－４早大〇
●瀬山１－３岩越〇
●山本０－３笹尾〇
●瀬山・山本組０－３岩越・笹尾組〇
●梅村１－３鎌田〇
記事・写真：「中大スポーツ」新聞部
