2022年4月15日~17日 神奈川・レモンガススタジアム平塚
ワールドユニバーシティゲームズ(6月、中国)の選考会を兼ねた学生個人選手権が3日間開催され、中大勢は最終日に800mへ出場した金子魅玖人(商3)と5000mの中野翔太(法3)が準優勝を果たした。
日中10度ほどと3月並みの気温に加え、強風が吹く中迎えた初日。1500mでは山田俊輝(経3)と中野倫希(経2)が決勝へ。序盤、積極的に前に出た中野倫は1周目を過ぎたあたりで失速、以降は後方でレースを進めた。一方、山田はやや後方から前を狙うも最終盤で巻き返せず、そのまま7位でフィニッシュ。優勝した飯澤(東海大4年)が喜ぶ中、自らの膝を叩き悔しい表情を見せた。藤原正和駅伝監督は「表彰台を取れるような調子ではあった。(雨風強い)悪条件の中でも実力者たちと戦える準備をさせてやりたかったなと思う。ただ、本人たちも『力を出し切れなかった』と課題を挙げていたので、次に向けて調整していきたい」と振り返った。
▲1500mに出場した山田(右)と中野倫(右から3人目)
この日、最後の種目となった10000mには大学初戦となる吉居駿恭(法1)が出場。強豪学生ランナーが集う中、序盤から堂々と、積極的にレースを運ぶ。中盤までは先頭をひた走る葛西(創価大4年)にしっかりと着き2番手を死守。5000mを14分23秒すぎで通過すると残り4000mのところで葛西に独走を許し後退。それでも初レースを28分台にまとめフィニッシュした。レースを見守った藤原監督は「本人は『もっとやれる』と。『4番くらいまでは絶対にいけたレースだった』と言っていたので、そういう向上心を大切にしてほしい」とさらなる期待を寄せた。
▲吉居駿は大学初戦を28分台にまとめた
2日目は前日とは打って変わって、一時強い日差しが当たった。
100mでは予選をトップ通過で決めた藤原寛人(法2)が準決勝へ。追い風参考ながらもトップが10秒15をたたき出すハイレベルなレースで4着に入り、タイムで決勝を決めた。迎えた決勝では「(自身は)後半が得意なタイプ。後半追い付いたが抜ききれなかった」と、順位としては7位に終わった。「決勝に上がってきた人たちに対抗できるような自分の型とリズムを確立させなければいけない」と雪辱を誓った藤原。来季には中大記録(10秒22)更新を狙う。
▲100m決勝に出場した藤原(中央)
最終日、前日の800m予選を突破した金子が決勝へ。「予選で力んでしまい最後差されたので今日は落ち着いていこうと後方にいた」と、最初の1周を最後方に位置取った。しかし「みんな出るタイミングが同じだった」と思うように前にいけず。若干スローペースな展開も2着でフィニッシュ。準優勝を果たした。「次は木南記念と静岡国際。グランプリはペーサーもいてタイムも速くなるので別のレースだと思って切り替えて臨んでいきたい」と虎視眈々(こしたんたん)と次の目標を狙っていく。
▲800m準優勝の金子(右から2人目)
5000mには各校のエース格が集結。「冬場いい練習ができていた」(藤原監督)という中野翔は、「(日体大の)藤本さんが出る展開」とレースプランを描いた。言葉通り、中盤まで藤本(日体大4年)が引っ張る。終盤、残り600mとしたところで中野翔は積極的に前に出た。「(途中、)若林君(青学大2年)が引っ張る形にはなったが、最後の600m手前で自分からいけたのはよかった。優勝を目指してきたので、2位という結果は悔しい」と、準優勝でフィニッシュ。「自信に変えて次へプラスにできたら」と次戦、月末の織田記念(29日、広島)に向け合わせていく。
▲5000m準優勝の中野翔
今後について藤原監督は「来週の日体大記録会がひとつ春先の山場」とし、その後は関東インカレや夏場のホクレンに向けて「全体でしっかりと強化していく」とした。ワールドユニバーシティゲームズへ中大勢の派遣はならずも、順調なシーズンインを感じさせた。
(記事、写真:杉浦瑛俊)
◆結果◆
4月15日
男子110mH 予選4組
②宮﨑匠 (法3)14.22
男子1500m 予選1組
③山田俊輝 (経3)3:49.51
④中野倫希 (経2)3:49.66
男子400m 予選
2組
④西山雄志 (法1)48.76
3組
②森周志 (法4)48.19
男子110mH準決勝1組
④宮﨑匠 (法3)13.84
男子400m 準決勝1組
⑥森周志(法4)47.98
男子1500m 決勝
⑦山田俊輝(経3)3:48.25
⑭中野倫希(経2)4:04.82
男子110mH決勝
⑦宮﨑匠 (法3)14.11
男子10000m 決勝
⑧吉居駿恭 (法1)28:56.95
4月16日
男子100m
予選2組
①藤原寛人(法2)10.46
予選4組
④三井一輝(法1)10.66
予選6組
⑤山本未来(法4)10.74
予選7組
③江川雅人(商4)10.69
男子400mH 予選1組
③中島陽基(法1)52.90
男子800m予選1組
②金子魅玖人(商3)1:49.03
男子100m準決勝1組
④藤原寛人(法2)10.29
男子400mH準決勝3組
⑤中島陽基(法1)53.28
男子100m決勝
⑦藤原寛人(法2)10.44
男子800m決勝
②金子魅玖人(商3)1:50.08
男子5000m決勝
②中野翔太(法3)13:48.36
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