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【短距離対談/稲川慧亮・藤原寛人】チームを引っ張る二大巨頭の4年間をプレイバック!〈前半〉

今年5月に行われた第103回関東大学陸上競技対抗選手権大会(以下、関東インカレ)では出場選手の多くが入賞、6月末の第108回日本陸上競技選手権大会・U20日本陸上競技選手権大会にも多くの選手が出場し好成績を収めるなど勢いを増している中大陸上部短距離ブロック。そんなチームを引っ張る主将・400mブロック長を務める稲川慧亮(法4)、純短ブロック長を務める藤原寛人(法4)は4年間の集大成となる第93回日本学生陸上競技対抗選手権大会(以下、全日本インカレ・9月19日~22日、等々力陸上競技場)を迎える。そんな2人に陸上への熱い思いや中大での4年間の思い出など競技面から普段の生活に至るまで語り合ってもらった。(取材は9月7日に行いました)

前半では、陸上との出会いやチーム作りについて、先輩や後輩の選手についてなど競技に関するお話をお届けします!

(聞き手・構成:功刀萌恵、琴寄由佳梨)


──陸上を始めたきっかけ
藤原
「僕が始めたきっかけは、いろいろなスポーツをやってたんですけど、運動会の選考会みたいなので勝ちたいなって思ったのをきっかけに、小学生の時に陸上クラブにちょこちょこ参加したのがきっかけで、中学校に上がるタイミングで部活を選ばなきゃいけないってなった時に、水泳か陸上で迷って陸上にしました」
──水泳をやっていた道もあった
「やっていた道もあったかもしれないですね(笑)」
稲川
「それ知らないわ俺(笑)僕が始めたきっかけは、小学校までサッカーやってて、自慢しちゃうけど、下部組織に入ってた。 ただ同じ小学校にユースで同じ人がいて、その人の方が上手くて、狭い世界で1番になれてなかった。それで、当時なにか1番になれるものがあるかなと思ったら、走ることで。走ることで1番になれるんだったら、たまたま中学校が全国大会に行けるくらい強い陸上競技部があって」
藤原
「ラッキーじゃん(笑)」
稲川
「そう、ラッキー(笑)だったら、もうサッカーから陸上に変えようっていう流れで、最初は全然やる気なかったんだけどそれがきっかけっていう感じですね」

──そこから大学進学に伴って中大に決めた理由
稲川
「2つあって、1つは今コーチとしている森周志さん(令5卒)っていう人が、僕が高校1年生の時の高校3年生で、インターハイで見て、すごいかっこいいなと思って、あの人とバトンを繋ぎたいっていう思いから中大に進学したっていうのと、もう1つは、(森さんと)同年代の先輩なんですけど、鳥居風樹さん(令5卒)っていう人が高校の先輩で、その人と一緒にマイルリレーとか繋いでて、 当時走るのがものすごくかっこよくて、 そういう人たちが集まる大学なんだなっていうので中大に目をつけ始めて。それでどんどん、陸上をやっていくうちに、そういう自分が目標にしてる人とバトンを繋ぎたいなっていう思いからこの大学を選んだっていうのがもう1つですね」
藤原
「僕はもう1個の理由ですぐ選んじゃったんですけど、(中大の)OBの方で何人か僕の高校から行ってる人がいて、 その選手の中に川上拓也さん(令3卒)っていう方がいらっしゃるんですけど、その方が室内の日本記録を持ってたりとか、 あとはインカレを6連覇してる時のメンバーだったりして、大学で陸上って言ったらもう僕の中では中大一択のイメージでしかなかったので、そこに憧れて入ってきた、先輩方の背中を追いかけて入ってきたっていう、本当にその1つの理由だけですね。いろいろな大学実は見に行って。筑波も早稲田も慶応も明治も見に行った中で中大にちらっと来た時に、ここがいいなって根拠ない自信みたいのがあって。直感信じちゃおうってことで」
稲川
「何そのいいエピソードは(笑)」
藤原
「中大は自由な校風があるから、良くも悪くも自分次第ではありますけど、 どこまでいけるのか楽しみだなっていうのもあって中大にしました。逆に何か綺麗事抜いたエピソードないの?」
稲川
「2択で迷ってて、早稲田か中大かって。どっちかってなったときに中大かなって。あまり考えてなかったのもあって急にお前どこ行きたいのって聞かれて中大ですかねって言ってたら1カ月後くらいに決まってた(笑)」
藤原
「これすごい。稀ですよ。僕は中3の時から中大でって言ってた。早いよね(笑)」

──中大の陸上部の強み、他の大学と違うところ
藤原
「これはキャプテン言った方がいいんじゃない? 僕も後でもし足りなかったら追加します(笑)」
稲川
「1つだけ挙げるとするなら、選手の選択肢の幅が広いかなっていうのがあって。他の大学はワンプロセスで監督を通して、監督からの意見だったりコーチからの意見っていうのが大きな影響を与えると思うんですけど、中大は学生主体っていうのをプロセスに取り入れて、学生の中の幹事がいて、そこで会議を行ったりして、学生が中心となって考えるので、現場で何か対応しやすい、臨機応変に対応しやすいってのもあれば、選手1人1人が考えるチームなので、上からの命令だけに従う選手じゃなくて、自分の頭で考えて行動する選手っていうのを育てやすい環境にあるのかなって。そこが1つ強みかなと思います」
藤原
「いや、もうその通りだと思います(笑)自由にできるからこそ、裏を返せば腐るのは一瞬。そのデメリットはあるんですけど、逆に言えば自分のやりたいように、心赴くままに陸上ができるっていうのが本当に強みだと思うし、あとは周りの環境も設備もすごく恵まれてて寮に関してもすごいサポートしていただいてるので、そこに関しても陸上に集中しやすい環境かなと。キャンパスも法学部とか以外は近いので、集中しやすいかなって。僕らは法学部でちょっと痛い目見たんですけど(笑)他は近くていいかなって思います」

──お互いの第一印象と今の印象
藤原
「(初めて会ったのは)入試の日だね」
稲川
「そうね」
藤原
「それ以前は面識はなかった。見たことはあったけど喋ったことはない」
稲川
「いや、俺知ってたよ」
藤原
「俺は知らなかったごめん(笑)」
稲川
「お前全中(第44回全日本中学校陸上競技対抗選手権大会の100m)で優勝してたから(笑)そこからのイメージか。でも元気かな。元気っていうか、うるさいっていうか(笑)」
一同(笑)
稲川
「生粋の陽キャラなんですよね。今の印象は熱血陸上男。陽キャラなんですけど、陸上競技中心に全部考えて行動してるので良くも悪くも熱い。それが陸上競技やってる人からすればいい刺激なんですけど、そこまで熱意持ってやれる人間ばかりじゃないので。だから彼についていこうとばっかりすると、それはそれでっていう。なので最初はこの人についていくのちょっと厳しいから段階的にこの人に近づいていくのが1番だなって。ただ、いい刺激をもらってます」
藤原
「背中で語ろうかなって思ってます(笑)」
一同(笑)
稲川
「じゃあ俺の第一印象は?」
藤原
「第一印象は、よくしゃべるなって。黙ってるとしゃべらなさそうな見た目をしてるけどすごい面白いやつだなって。面白かったっていうのがすごい第一印象に残ってて。今も変わらず面白いやつだなっていう風に思います」
稲川
「ありがとう(笑)」
藤原
「しっかりしてるけど面白いです。面白いやつです。基本的にずっとふざけてるので、真面目なシリアスな瞬間あまり見たことないかな。すごい親しみやすいキャプテンなので、けっこう僕と逆の存在かもしれない。こいつの方が話しかけやすい。いいキャプテン。僕は1人で歩いちゃうこともあるから、周りのことよく見てるのはこっちです」
稲川
「なんかありがとう(笑)」

──稲川さんがキャプテンになった経緯
稲川
「大前提として、やるなら(藤原選手か稲川選手の)どっちかかなっていうのがあって、やりたいなと半分ぐらいは思ってて。自分たちが入学した時が、言ってしまえばあまり競技成績は良くなかったというか」
藤原
「勢いはなかったよね」
稲川
「そう。(4継で6連覇していた時期と比べると)勢いはそんなになくて、そこからだんだん自分たちが2年、3年と上がっていくにつれて競技結果が伸びていくのかなと思ったけど、そう簡単にはいかなくて。じゃあ、そうやってチームを変えていきたいっていう思いを持ってるんだったら、どうせなら主将やってみようかなっていう。幸いどっちかっていう風に元々言われてたし、やらせてもらえるような状況もあって。自分の意欲もあったので最終的には任せてもらえたんですけど、 裏ではやりたいです、やりたいですみたいなことも言ったりして、ようやくやらせてもらえたのかなと思います。ただ、根本にあるのはやっぱりチーム状況を変えたいなっていう思いからです」

▲稲川慧亮(左)と藤原寛人

──これまでの大学生活で1番思い出に残っていること
稲川
「寮生活のことは抜きにした方がいいんじゃない?寮生活もけっこう思い出に残ってるから」
藤原
「そうだね。どっちがいいですか、いいのと悪いのがあるんですよ。いい思い出と悪い思い出がある(笑)」
──どっちもで(笑)
藤原
「良いことで言ったら、2年前に日の丸をつけれたことが1番僕の中では人生の契機にもなってると思うし、視野を広げさせてもらったっていう面で1番印象的だったかな」
稲川
「2年目に目標としていた(森)周志さんと一緒に関東インカレでバトンを繋いで、チーム歴代2位の記録で3位を取れたっていうのは自分の陸上人生の中でうれしかったことかなと思います。悪いことは言わなくていいの?(笑)」
藤原
「悪いことなかった(笑)」
──稲川さんは悪い思い出は
稲川
「悪いのは、もう入学して1カ月もせずに肉離れをして、 そこから8月にコロナにかかって、11月に肩の烏口突起っていうところを骨折して、12月に腕を骨折したっていうのがあって、あと僕と一緒の部屋だった部屋長がすごい人だったっていう思い出(笑)」
藤原
「俺もそれ思ったけどそんなにインパクトなかったからやめた(笑)」
稲川
「俺言い損じゃん(笑)」

──自分の強み、これだけは負けないという部分
藤原
「負けん気かなって思ってて。さっき熱い男って言ってもらえたんですけど、僕はもうただただ勝ちたいっていう1つだけの思いがあって。2番とか別に嬉しくない。 2位とか3位でもみんなで(表彰台に)登れたらちょっと嬉しいですけど、個人で考えたらどんどん自己ベストを毎年出したいし、優勝したいっていうのがすごく強いので、そこに勝つためにどれだけ最短ルートを通っていけるかみたいなことが僕の考えにあるので、そういうメンタリティを持っているところが僕の強みかなって。だから、落胆することもそんなにないので、ずっとポジティブに考えてるのが良いところだと思います」
稲川
「なんかある?俺の強み」
藤原
「頭いい」
稲川
「頭いいは関係ないでしょ(笑)根性があるくらい」
藤原
「本番に強い」
稲川
「あー本番に強いは1つあるかな。それひっくるめて根性がある。競技柄そういう練習も増えてきて、 入学した時から僕が先頭で、1年生の頃からどっちかっていうと競技もかなり上の方でやらせてもらってっていう感じで、400mブロックを引っ張っていかなきゃいけない存在っていう中で、責任感持ってしっかり練習をやりきれたこととか、関東インカルだとか、そういう試合で結果を残したっていうのは1つ本番に強いという強みかなと思います。あとは何だろう。話しやすい?」
藤原
「話しやすい。親しみやすいキャラ」
稲川
「そういうキャラなので、主将をやっていて良かったなっていう。チーム全体と関わり合えて、チーム全体の意見を反映しやすいチーム体制にはできたのかなっていうのは1つの良さ。選手としてっていうか」
藤原
「うん。実際過去で1番まとまりのある代かな。部活全体として、上下関係もそこまで厳しくないし、和気あいあいってわけじゃないですけど、和やかな雰囲気にできたのは初めてかなっていう風に思います。どちらかといえばいつも上下関係でピリつくっていうのが体育会系の鉄則といえば鉄則なんですけど」
──後輩の選手から相談受けたりとか
稲川
「最近はけっこう多いかな。 全カレとか試合とか近くなってきて、シーズン中になると選手が怪我したりとかして悩みを抱えてたりすると、たぶんそれは純短は純短で、主将っていうよりもブロック長としての立ち位置でそういう相談を受けることが多いかなっていうのはあります。相談をしてくれる分にはものすごくありがたいけど、的確なアドバイスを出せてるかどうかっていうのは、正直素人といえば素人なので。指導する側としては不安な部分はあるんですが、ただ、そういう関係を作れたのはいいことかなっていう風に思います」

──短距離の魅力は
稲川
「お前は花形じゃん」
藤原
「やらせていただいてます(笑)魅力は良くも悪くも全部自分次第で、タイムっていうどうしようもない逃げることができないところから出てくるタイムっていうのがあるので、そこが誰が見ても勝ち負けが分かるっていうのが面白いところかなと思うし、技術点とかもなければ、審判が勝敗を分けてくれるわけでもなくて、ただただ自分が勝つか負けるかだけっていうのがすごくいいところだし、1つのミスも許されないっていうのが面白いところかなと思います」
稲川
「他の選手に左右されないところがいいところなのかなって。レーンが区切られて走る競技なので、800mとかだと、アクシデントがあって転んだりとか、他の人のペースに惑わされてみたいな、自分のパフォーマンスを発揮できないところが良くも悪くもあったりするんですけど、短距離は自分のレーンが区切られてて、スタートから自分1人の戦いになってくるので、レースの前の練習の段階だったり、私生活の段階がもろに出てくる競技であるからこそ、そこで結果を残せる人っていうのはすごい強いと思うし、自分に対して真摯に取り組んできた証なのかなっていう。そういう意味ではアスリートの中で頂点に立つ存在なのかなっていう風に思いますね」

──稲川選手は短距離のキャプテンと400mのブロック長をやる中で意識していることや理想のキャプテン像はあるか
稲川
「さっき挙げた中大の良さを最大限に活かせるチームにしたいっていうのはあって。 だからこそ上下関係であったり、しっかり締めないといけないところは締めてますが、 風通しのいい、意見交換できる組織を作りつつ、選手1人1人が考えられるチームにしたいという思いはあったので、定期的にミーティングを開催したり、意見交換の場を設けたりしています。僕は日本代表を背負ったこともなくて日の丸を背負って背中で引っ張るキャプテンではないので、人とのコミュニケーションを大切にしながらチーム作りをするという意識は常に持っているかなと思います」

──来年のキャプテンは決まっているか
藤原
「誰がやるかはすでに決まっています」
稲川
「どっちかというと僕と同じタイプで、日頃の日常生活とかチームのことをよく考えてる選手を満場一致で選んだ」
藤原
「キャプテンシーのある子ですね。だからまとめられるだろうなっていう。適任だよね」
稲川
「うん。適任だね」
藤原
「今もキャプテンかも(笑)」
稲川
「俺じゃないか(笑)『稲川さんこれやってください、ありがとう』って(笑)」
一同(笑)

──藤原選手は100mのブロック長として意識していることなどはあるか
藤原
「さっき言った通り、腐っちゃうのも一瞬っていうのもあって、全員で同じ目標で戦っていくっていうことを僕はすごい意識してて。そこが外れていっちゃうと生活の質だったり、生活も区切っていくと睡眠だったり食事だったりとか、あとはセルフケアだったりとか、夜遊ぶ遊ばないとか、そういうところも含めて「塵も積もれば山となる」でどんどん差が大きくなっていっちゃうと僕は考えてるので、そこの価値観はみんなで統一できるようには、 押し付けはしないですけど、より良い方法だったり手段があれば僕が自ら提示したりとか、これやってみたらとか、あとは治療院を全部リスト作って貼ったりとかしてるんですけど、あとはもう積極的にお風呂とかでもよく会うのでコンディションの確認をしたりとか。怪我してる選手には怪我してる時の対処法とか、あとは補強とかいろいろ。僕1人だけが強くなって終わっちゃうのはもったいないなと思ってるので、みんなで強くなれたらいいと思うし、それが今年顕著に現れてるのかなと思ってて。僕以外にも関東インカレで入賞してくれた選手も多くてそれはうまくまとめられたのかなと自分の中では思ってるんですけど、価値観を一緒に統一していく、目標を1個に統一するっていうのは、僕の中で1つ大事な軸になってるかなと思います」

──先ほど日本代表の話も出たが海外レースを経験したことで得たことや活かせたことは
藤原
「めっちゃあると思います。やっぱり海外のレースは日本の常識と全然違うので、どちらかというともっとラフだし、僕は日本の試合の息苦しさを向こうに行って感じちゃったんですよ。こんな自由なんだみたいな。 時間を気にしすぎちゃったりとか、そういうのは日本特有の文化だなってすごく思ったりとか。あとは、もういろいろなアップしてる人がいるし、いろいろな練習してる人がいるので、飛び込んでいった方がいいなって。自分の固定概念にとらわれずに、いろいろなことに挑戦しちゃう。 それで良ければやればいいし、悪かったらやめる。このトライアンドエラーをずっと続けていく先に強い選手がいるんだな、 それを経験してきた選手が強いんだなっていうのがすごくあったので、いろいろな練習をいっぱい持ってきて、みんなとやって、みんなからフィードバックをもらってっていうのはけっこうやっています」

──中大OBの飯塚翔太(平26卒・現ミズノトラッククラブ)さんの合宿に参加されていたが飯塚さんのすごいところ、尊敬しているところなど
藤原
「めちゃくちゃあります。「陸上博士」です。それが本当にあるとしたら飯塚さんだと思うくらいに、陸上に関連することだったらすごい引き出しの数があって、睡眠にしろ食事にしろ、アップでやる動きにしろ、使う筋肉とか、そういうのもすごいいっぱい教えてもらって、それを僕がチームメイトにフィードバックできているので、底上げができてるっていうのはあると思うんですけど、 そういう偉大な先輩、400mブロックにもめちゃくちゃいるので、 その先輩たちが残してきたレガシーっていうのを受け継ぐのも大事かなって思って。憧れてるだけだと終わっちゃうので、それはもらいに行けるタイプだったのが僕だったからちょうどよかったのかなって思うんですけど(笑)積極的に聞きに行ったらやっぱり「陸上博士」は答えてくれるので。「陸上博士」なのがすごいです飯塚さんは」
──稲川さんは飯塚さんとのエピソードなどは
稲川
「飯塚さんはあまりないですけど、舘野哲也さん(平26卒・現Criacao)っていう400mハードルのロンドン五輪の日本代表がいて、舘野さんはわざわざ寮まで来てくださって、コーチをやってくださってた時期があるので、そこで1から陸上競技に対する考え方とかの講演会っていうのを、小規模なんですけど400mブロックに開いてくれたりっていうのはあって、 世界経験してオリンピック行ってる人なので、持ってる情報だけじゃなくて、その情報をどう使うかっていうところだったり、そういう競技選手として欠かせない、1人でやっていく上で欠かせない情報とかプロセスをしっかりと教えてもらったっていうのがあって。 そういう意味では、OBのオリンピック選手の方々がいてくださったことっていうのは非常に大きなことだったのかなっていう風に思います。何の話だっけ(笑)」
藤原
「飯塚さんの話だけど、(稲川選手との)関わりはそんなになかった(笑)」
一同(笑)
稲川
「飯塚さんいい人です(笑)僕が大学1年生の時に怪我してたけどU20日本選手権は出ないといけないっていう状況下で、お風呂上がったらばったり脱衣所で会って、こんなぺーぺーでも名前覚えててくれて」
藤原
「そう、見てくれてるんだよね」
稲川
「絶対忘れない。それで毎回声かけてくださって。大丈夫なの?とか」
藤原
「すごい。異次元」
──フランクな感じ
藤原
「めっちゃフランクな人ですね」

▲全日本インカレへの目標を掲げる稲川(左)と藤原

──後輩たちから刺激をもらっていること、どういうチームカラーを持っているか
稲川
「本当に強い。黒木(海翔・法1)にしろ植松(康太・総1)にしろ田邉(奨・法1)にしろ、この3人はそれぞれ100m、200m、400m、チーム内でベストが1番早いんですよ。藤原よりも黒木が速くて、200mは植松で、400mも僕なんかより田邉のほうが全然速いみたいな感じで、ほんとに選手としての競技力が高くて。学年の色で言っても、僕たちがチーム運営をしてたからこそ自由っていうか、フランクっていうか」
藤原
「仲良いよね。各学年、毎年違うカラーを持ってて、それが中大の良さなのかなってすごい思うし、すごいまとまってる代もあれば、1人でやるのが好きな代もあるし、それは代によって僕らの代もカラーがあったりとかするのがいいところかな」
稲川
「そうだね、俺らの代はどっちかというと、真面目な人間も多いじゃん。真面目なところは真面目にみたいな。 下級生は楽しんでやってるのかな、陸上競技を」
藤原
「そうそう、それはあるね。その割り合いが多いんじゃないかな。そういうのは刺激になってて、やっぱり結果を追い求めすぎちゃうと、どうしても頭が回らなくなっちゃうときがあるので、 特に楽しむことを教えてもらってるというか、ニコニコしながらやってる下級生見ると、足りない栄養分を補給してるみたいな(笑)」
一同(笑)
藤原
「やっぱりその初心忘れないのもすごい大事だなって思うし。あと競技力も高い子多いので、負けたくないなって思うので、ライバルではないですけど、下からも教えてもらってるなっていう風には日々感じます」

──今後、注目の後輩
藤原
「注目の選手めっちゃいますよ」
稲川
「俺は1人に絞れる」
藤原
「田邉か」
稲川
「そう、田邉」
藤原
「日本代表入れそうなレベルなんだよ彼は。100mは黒木と植松です。1年生で言えば。あとは下級生で入賞してるのが200mのエケ(ジュニア瑠音・法2)で、3年生の松嶋(飛希・法3)も200mで入賞してるし、あとは三井(一輝・法3)も個人で点取ってるので、本当にブロック全員みんな注目選手なので特に点取ってる子たちは来年も活躍してくれるだろうなっていう風にはすごい思いますし、来年入ってくる新1年生も、強い子たちいるので、純短ブロック全員が注目選手ってことでお願いします(笑)」
稲川
「ずるいな(笑)」
藤原
「いやもうみんなよ、みんな」
稲川
「ずるいじゃん、層厚いじゃん(笑)」
一同(笑)
藤原
「ありがたいことに本当に今層が厚いので、短距離に関しては。もう誰って選べないぐらい。 リレーもどの走順で誰が走るのかわからないっていうのが実際のところで、得意なところに入ってもらって、 強い選手だけを使えるっていう、すごい贅沢な悩みができているので、本当にレベルが高い。他大だったら出れるんですけど、うちだったら出れないみたいなことがあって、すごい贅沢な悩みを僕はさせてもらってて、だからみんな注目選手で、来年以降期待してください!」
稲川
「3人に変えといてもらっていいですか(笑)1年生3人いて。田邉が今調子はいいんですけど、自己ベスト46秒9、47秒0っていうチーム内トップの自己ベストを持ってる選手が他に2人いて、庄籠(大翔・法1)と正野(巧磨・経1)。1年生の台頭っていうのは目覚ましいかなって。そこに期待しちゃうっていうのはあるし、僕たちが抜けた後に競技面で引っ張ってくれるのはその3人なのかなと思ってるので、期待しています」

──目標としている人、ライバル
藤原
「目標は飯塚さん。ああいう選手になりたいなって、すごく純粋な心で思って。 陸上を楽しんでるし、結果が毎年出せてたりとか、ストイックな部分があって、毎年顕著なタイムが出てるかなって思うから、僕も楽しみつつ、結果を出すことを当たり前にしていきたいなって。出さなきゃって思うんじゃなくて、自然に出るような選手を目指していきたいなと思います」
稲川
「俺は森さん。今実業団でやられてて、練習に参加させてもらって、なおかつ一緒に走りながら、チーム状況について色々話したりして、競技面でも、競技以外のチーム状況についてとか練習について話すっていう部分でも、本当にいろいろな刺激をもらってて。なので目標としてもいるし、いいライバルだなっていう思いもあります」

──座右の銘、いつも大切にしていること
稲川
「一期一会ですかね。1回の出会いを大切に、 2度と起こらないかもしれない出来事なので、その1回を大切にするっていう意味だと思うんですけど、僕は本当にこの中大に入ってからそれをよく感じていて、来る人来る人OBの方が本当にすごい経歴を持ってて、ほんとにいろいろな経験をされてる方で、 それは陸上競技に限らず、それ以外の分野でもそうで、そういった出会いを大切にして、そういった方々からチャンスであったりヒントっていうのをもらいつつ、そういう出会いっていうのを大切にしていけば、自ずといい方向に向かっていくのかなっていう風に思ってるので、それを自分も座右の銘にしつつ、大切にしていることの1つにあげてるかなっていう風に思います」

藤原
「僕は四字熟語じゃないんですけど、感謝と謙虚な気持ちを常に持たなきゃいけないなって。これは僕の父の教えなんですけど、父もスポーツ選手やってたんですけど、ずっと勝って兜の緒を締めれるくらいの選手じゃなきゃダメだよって。1回の試合の結果で一喜一憂しないで、常に同じマインドでこの競技をできていることにまず感謝をしてやっていきなさいみたいな。怪我で辞めちゃったりできない選手もいるし、経済的な面で大学で陸上できない選手もいるわけだから、この環境が当たり前じゃないっていうことをいつも日々確かに実感しながらやっています」
稲川
「いいこと言うなー(笑)」
一同(笑)

──どのようなことに重点を置いて練習してるか。気を付けている、心がけていることなど
藤原
「僕は練習の内容自体はそんなに気にしていなくて、練習に挑む前と後の方がむしろ大事かなって思っていて。 休養と睡眠と、あと食事も。ここがものすごく僕の中では大事かなと思うんですけど、練習で全力でやるのは当たり前なんですけど、そこ以外が大事かなと思ってて、僕はすごい気をつけています」
稲川
「競技柄っていうのもあるかもしれないですけど、ほんとにきつい時に諦めないっていうのが1つかな。自分の練習の量の調整って、学生主体だからこそ自分たちで今日ちょっときついからやめるっていうのができたりして。でもそうじゃなくて、元々決めてやらなきゃいけないこと、怪我とかは抜きにして、足の状況とか見て適切に判断するんだったらそれはいいんですけど、そうじゃなくて、 ただきついからやめるとかっていうのは自分の中では絶対になしにしたいので、しっかりと決めた目標は絶対達成するっていうことと、きつい時は踏ん張る。この2点に尽きるかなって思います」

 

大学生活について、そして全日本インカレの目標などについてお聞きした〈後半〉は明日公開です!

 

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