9月8日(日)戸田オリンピックボートコース
一年間の集大成となるインカレに挑んだ中大ボート部。台風の接近もあり一時強い雨が降ることもあったが、競技が始まる時には選手たちの晴れ舞台を微笑むように時折日差しが差し込んだ。運命の大一番で選手たちは持てる力を出し尽くした。
「本当に優勝を狙えるクルーだった」(遠藤穗・商3)。女子の花形競技である舵手付きクォドルプルで惜しくも優勝は逃したものの2位と表彰台に登った。
クルー唯一の4年生である渡邊花穂(法4)は「やっぱり悔しいですけど、全力を出しきれたので後悔はない」とレースで今までやってきたことを全て出し切った。優勝した早大とは予選が2秒差で準決勝がコンマ差という、実力はほぼ互角だった。あとは気持ち面や先に仕掛けて、苦しいところを耐えた者勝ちだった。▲懸命に漕ぐ選手たち
中大はスタートで先行すると中盤辺りまでは1位につける。しかし、1500㍍付近で早大が仕掛け、その時に前に出られてしまいそのまま離されてしまった。中大も負けずとアタックし続けたが、追いつけず優勝にあと一歩届かなかった。惜しくも優勝は逃したものの確実に”中大の女子チームは強い”という爪痕を残す結果となった。4年生は引退、バトンタッチで受け継いだ後輩に優勝の夢は託された。▲銀メダルを胸に笑顔を見せる選手たち
勝てば14年ぶりとなる、男子エイト。決勝の舞台には日大、仙台大、明治大と強豪が名前を連ねた。
決勝に残った4クルーのタイム差がほとんどないことから、ターニングポイントとされていたスタート。中大はトップでスタートを決めるとゴールまで一直線、スタミナを落とすことなくハイペースで長年の悲願である日本一の座を掴み取った。▲序盤から攻めの漕ぎを見せる選手たち
スピード戦を制した男子エイト。1分間に40回を越える漕ぎの動作は、身体に非常な負荷をかけるが、「苦しくなかった」とクルー全員が口を揃えた。副主将の徳永貴大(商4)もレース後「9人全員が”ゾーン”に入っていた」と語った。
優勝するために苦しい練習に耐えてきた。実力がそのまま出れば優勝できるという状況で幾度も悔しい思いをしてきた男子エイト。優勝の瞬間は涙を流して喜びを爆発させた。児玉剛始コーチが100点だったと評価した決勝のレース、大一番で凄まじい集中力を見せた男子エイトが中大ボート部に新たな歴史を刻んだ。▲表彰台で金メダルを胸に校歌を歌う選手たち
◆コメント◆
溝口健太監督
14年振りにエイトで優勝することができました。女子も2位とあと一歩及びませんでしたがその悔しい流れをエイトが晴らしてくれた。やっぱりうちはエイトで勝負するという目標をぶれずにやってきました。監督に就任してからコーチやスタッフ一丸となってチームを作ってきて、これまで選手たちに苦労をかけてしまうときも多々ありました。ですが為せば成るということを今日彼らが証明してくれて、本当に嬉しいです。これだけの感動を多くの人たちに与えてくれて僕も含めて本当に経験できない感動をいただきました。応援してくださった中大ボート部関係者の皆さん、選手たちに感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。
◆大会結果◆
女子舵手付きクォドルプル決勝
②中大(渡邊花穂・法4、遠藤穗・商3、溝口女華・文2、米澤知華・理工2、cox近藤真優・商1)6分57秒99
男子エイト決勝
①中大(徳永貴大・商4、塩田義峰・商4、是谷有輝主将・理工4、久保如竹・総政4、千種蒼大・理工3、齋藤拓馬・文3、二本松慎也・商3、石塚慎之助・法3、cox小島発樹・法3)5分46秒51
記事・写真:中大スポーツ新聞部