2022年10月1日~2日 新潟・デンカビッグスワンスタジアム
日本グランプリシリーズ アスレチックスチャレンジカップ2022がデンカビッグスワンスタジアムで開催された。1日目は800mに金子魅玖人(商3)、5000mに吉居大和(法3)、中野翔太(法3)、吉居駿恭(法1)、溜池一太(文1)が出場し、中野翔、吉居駿、溜池が自己ベストを更新する好走を見せた。2日目には中野倫希(経2)が1500mに出場し14位に終わった。
▲スタートを決める金子
男子800mでは日本選手権を欠場した日本記録保持者の川元奨(スズキ)と源裕貴(NTN)が出場。その他、日本トップレベルの選手が同レースに出場し「タイムを狙っていく」と金子は臨んだ。しかし「前半余裕がなかった」と思うようにレースを進められず。ラスト100mでスパートするもタイムレース全体4着でフィニッシュした。レース後「もう少し早めにスパートできたら順位もタイムも狙えたと思う」と冷静に分析した。
▲競ってフィニッシュした中野翔と吉居駿(右)
▲フィニッシュした溜池
男子5000mでは中大の選手が序盤から積極的にハイペースで入り、中野翔と吉居駿が競る形に、続けて溜池、吉居大の順でフィニッシュした。
7月には10000mの中大記録を塗り替え今季好調の中野翔は、目標としていた日本選手権の標準記録である13分36秒には届かなかったものの「夏合宿が終わってから少しずつ状態を上げていっていたので、うまく走れたかなと思います」とレースを振り返った。
また、記録を狙って思い切った走りができたと話した吉居駿は「今まで思い切った走りができていなかったが(今日のレースを通して)殻を破りかけたというか明るい未来が見えた」と話し、同じくルーキーの溜池も、「(13分30秒のペースは)自分の実力以上かなと思ったのですが、そのペースで途中まで行けたというのは自信になりましたし、今までで一番良いレースだった」と満足気に語った。
▲フィニッシュした吉居大
一方で、吉居大は序盤は先頭付近でレースを引っ張るも徐々にペースを落とし、実力を出し切れなかった。「前半はペースメーカーのペースが思ったより安定しなくて難しいところもあり、少しきついなというイメージでした。2000m過ぎから差し込みがきてしまった」。夏の故障から明け、9月から走り始めた現在はチームに合流して練習ができていると話す。「差し込みがきた原因をしっかり考えて、出雲で出ないように調整していきたい」と先を見据えた。
▲レースを展開する中大の選手たち
1週間後に出雲駅伝を控えた今大会。男子5000mに出場した中大の選手は最終調整と捉えて出場した。「しっかり区間賞を取ってチームに勢いがつけられるような走りを見せたい。全体としてもしっかり上位に食い込んで全日本や箱根に向けていい状態で臨みたい」と中野翔。9年振りの出場となる出雲に充実の戦力で挑む中大。駅伝シーズン開幕に期待が高まる。
◆結果◆
GP男子800mA
タイムレース総合
④ 金子魅玖人(商3)1:48.55
GP男子5000m決勝
④中野翔太(法3)13:39.94 PB
⑤吉居駿恭(法1)13:40.26 PB
⑦溜池一太(文1)13:46.16 PB
⑬吉居大和(法3)14:19.19
GP男子1500m決勝
⑭中野倫希(経2)3:52.70
◆コメント◆
金子
──今日のレースを振り返って
「イーブンペースでいき、200mを26秒5、400mを26秒5でいって、後半(200m毎を)を27秒、27秒ぐらいでまとめるつもりだったのですが、最初が思ったよりも遅く入ってしまったのでそこでマイナスなタイムが生まれてしまった。上げるタイミングが分からずラスト100mまで溜めてしまい、最後ぎりぎりのところで抜かすという感じになったので、もう少し早めにスパートができたら順位もタイムも狙えたのかなと思いました。思ったより前半で余裕がなかったというのが今日のレースの振り返りですね」
──今シーズンを振り返って
「海外遠征に3カ国くらい行かせてもらって、経験ができました。いろいろなレースを経験できたので、冬季しっかりと練習を積んで来年はタイムと強さ、どちらも磨いていけたらいいなと思います」
──国体は出ますか
「出ます。それが最後になるのですが、タイムを狙っていく試合は今回が最後かなと」
──国体に向けては
「期間が短く特にやることもないので、今日は前半早く入れなかったので、そのイメージを掴むためにスピード系の練習をコーチと相談してやろうかなという感じです。国体はどちらかというと順位だと思うので、あとはどんなレースをするかというのもコーチと相談してという感じですね」
──インカレからの練習
「普段通りというか特に変わったことはしていないですね。シーズン中の練習という感じです。有酸素と無酸素で分けてジョグもやってという感じで。でもしっかりこの大会までは調整してタイムを狙っていく練習はしてきました」
中野翔
──自己ベストおめでとうございます、レースを振り返って
「2000mあたりからペースメーカーと離れてしまったのですが、最後なんとか走れたのでそこは良かったかなと思います」
──レース展開については
「予想通りペースメーカーが少し早めで引っ張っていたのでそこについて行くという感じ。その中である程度ついて行けたかなと思います」
──今日のレースの目標は
「今日のレースは日本選手権の標準記録、13分36秒を目標に走ったのですが、途中でペースが落ちてしまったので届かなかったという感じです」
──コンディション面はどうだったか
「そこまで良い状態ではなかったのですが、夏合宿が終わってから少しずつ状態を上げていっていたので、そこまで良くない中でうまく走れたかなと思います」
──中大の選手で固まって走っているように見えたが
「そこはたまたまだと思います」
──あと1週間で出雲駅伝ですが目標は
「個人はしっかりと区間賞を取ってチームに勢いがつけられるような走りを見せたいなと思います。全体としてもしっかりと上位に食い込んで全日本や箱根に向けていい状態で臨めたらなと思います」
吉居駿
──今日のレースを振り返って
「自分のベストに比べたらハイペースの入りだったので怖い部分はありました。今まで自分の持っている『まとめて走ってしまう』『思い切った走りができない』という部分で、今日は記録を気にしないでいこうと決めて、速いペースだったのですが、思い切った走りができました。本番を味わっていく上では、そういう心構えやレースに挑む気持ちの持ちようとしては大きな成長で、殻を破れたとまでは言えませんが、少し破りかけというか明るい未来が見えたと思います」
──今日のレースの目的は
「もう記録を狙って。出雲もあるんですけどしっかり記録を狙って走りました」
──今日のレースは何点
「後半垂れてしまったので80点くらい。いや、でもやっぱり70点。調子が良かったのでもう少しいきたかったです」
──ラスト中野翔選手と競っていたが
「そこで少し出しきれなかった。最後差し込みがきてしまって、そこも課題だと思うので自分とスタッフで解決策を見つけながらやっていきたいです」
──出雲駅伝に向けて
「どこの区間を走るか分からないですが、任された区間や自分が走れることを監督にアピールしてチームにとって久しぶりの出雲ということで、大好きな先輩たちのためにいつも以上の走りができたらなと思います」
溜池
──今日のレースの目的は
「ペースメーカーが13分30秒で引っ張ってくれるということで、自分からしたらそのペースは速くて自分の実力以上かなと思ったのですが、そのペースで途中まで行けたというのは自信になりましたし、来週の出雲に向けていい走りができたかなと思います」
──コンディションはどうだったか
「この前が沈んだばかりで、疲労がまだ取り切れてないところがあったのですがいい感じで走れました」
──合宿でやってきたことはいかがでしたか
「距離をこの夏で踏んできて、高校の時よりは距離への対応ができてきたかなと思います」
──出雲に向けて
「出雲は優勝を目指しているので、それに貢献できる走りは絶対条件だと思っていて、そのために区間賞を取って全日本、箱根に向けて勢いをつけれたらなと思います」
──今日のレースをまとめると
「今までは反省点ばかりだったのですが、今回はタイムはあまり変わらないですけど今までで1番良かったのかなと思います」
吉居大
──夏のけがの影響は
「出雲に向けての調整ということで、練習も短い間ですがしっかりと全体の流れに合流して走ってきました。今回は出雲に向けて中大としては調整というか、最後の刺激としてイメージしていて。自分としては13分35秒をどれだけ余裕を持って走るかをイメージして走りました」
──実際に走った感覚、余裕度
「前半はペースメーカーのペースが思ったより安定しなくて難しいところもあり、少しきついなというイメージでした。2000m過ぎから差し込みがきてしまい、思ったような力が出せませんでした」
──ユニフォームがほかの選手と違い白ではないですが
「NIKEのほうで契約させてもらいました」
──駅伝シーズンの目標
「一つ一つしっかりと自分の走りをすること、区間賞や区間新を目標にしています」
──4人集団で走られていた意味
「特にはなくて。でもみんな同じ、出雲に向けた調整の中で走っているのでイメージするところは一緒かなと思います」
──出雲に向けた調整の意識の仕方
「(5000mを)今日走った3人はほとんどやることがなくて合わせるだけだと思うのですが、自分は差し込みがきた原因をしっかり考えて、出雲で出ないように調整していきたいと思います」
(記事:片岡芹菜、写真:二村沙羅、松本あゆみ)
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