3月8日 中央大学多摩校地運動施設陸上競技場
小雨が降りしきり気温も一段と冷え込むなか、今年最初の中大記録会が行われた。今年の中大長距離ブロックを占う重要な試金石となる今回のレース。6人が28分台をマークし、10人が29分台を記録するなど、多くの選手が自己ベストを更新するハイレベルな学内記録会となった。▲トラックを駆け抜ける多くの選手たち
本来であれば立川ハーフが同日に開催予定であったが、コロナウイルス感染拡大を危惧し3週間前に中止が発表されていた。その代替試合として、急遽1万メートルの学内記録会が開催された。
コロナウイルス感染拡大防止策として、今回の記録会では外部からの記録会出場と観戦自粛を公式にアナウンスするなど、前例にない試合となった。それでも、マネージャーたちによるInstagramでのライブ配信や、部員を中心とした大会運営などで、選手たちは普段と変わらず、それぞれが練習の成果を発揮した。▲試合の生配信の準備をするマネージャー
今大会では、全員が白地に赤のCのユニフォームを着用してレースに挑んだ。今春本学入学予定の6名の高校生も出場し、大学デビュー戦を飾った。
レースは序盤、ペースメーカーとして眞田翼(商3)と森智也(商2)が第一集団を、加井虎造(文3)が第二集団を、岩原智明(文3)が第三集団を引っ張る形となった。▲レース序盤の先頭集団
先頭集団は最初の1キロを2分49秒で通過した。その後も1キロ2分55秒前後の速いペースでレースは進んだ。集団に変化が見られたのは4000mを過ぎたあたりだった。それまでペースメーカーを務めた眞田が遅れを取ると、それを見た千守倫央(商1)が前に出る。今春入学予定の吉居大和(仙台育英高)や、三浦拓朗(商2)、三須健乃介(文3)、大森太楽(文3)、中野翔太(世羅高)ら6人が千守の後に続いた。
先頭集団は中間点の5000mを14分26秒で通過し、後半戦へ。5600m付近で眞田が再度集団に合流し、先頭を引っ張る意地の走りを見せる。チームメートの自己記録更新を後押しした。
「途中新入生が引っ張ったり上級生が引っ張ったりと、チームで(記録を)出せた記録会だった」(三浦)。5000〜9000mの一番苦しい中間走では、三浦や千守、吉居らが交互に先頭を引っ張りながらレースを進めた。▲レースを引っ張る吉居(右)とそれに続く選手たち
ラスト1キロに差し掛かると大森が集団から抜け出した。大森に吉居も必死で食らいつく。「ラスト少し体が冷えていた部分があってキツかったですけど、最後まで諦めずに走れた」と、吉居はラストスパートで先輩を振り切りトップでフィニッシュラインに飛び込んだ。タイムは28分35秒65と、1万メートル高校歴代5位の好タイムを叩き出し、衝撃的な大学デビュー戦となった。▲フィニッシュラインに飛び込む吉居(右)と大森(左)
すぐ後には三須、千守、三浦が続くようにフィニッシュ。6位の中野までが28分台をマークした。池田勘汰主将(商3)は5000mを手前に集団から離れたものの、粘りの走りで自己ベストを約2秒更新した。レース後自己ベスト更新にも悔しい表情を見せた池田主将。だが主将として、今回のレースでチームが一段と成長したことを実感したことだろう。▲レース後笑顔を見せる選手たち
期待の新入生が存在感を見せた今大会。上級生もしっかりと意地を見せた。「ONとOFFの切り替えがはっきりしていて、池田を中心としたチーム」と三須が話すように、新チームは新たな船出を切った。
多くの自己ベスト更新者が出た今大会を皮切りに、”新生藤原隊”はこの1年どんな結果を残すのだろうか。今後の選手たちの活躍に期待が高まる。
◆コメント◆
吉居
ーー今日のレースを振り返っていかがですか
目標のタイムをクリアして、組で1番のタイムで走ることができたのでよかったと思います
ーー今年28分30秒を切りたいとのことで、今日はそれに近いタイムで走りましたが
今年28分半を切ろうという目標にしていましたが、今日28分35秒で走れたので、目標のタイムであった30秒よりももっと上を目指していこうと思いました
ーー中盤や終盤のレースを振り返っていかがですか
基本余裕を持って走れていて、ラスト少し体が冷えていた部分があってキツかったですけど、最後まで諦めずに走れたかなと思います
ーーレース途中前に出るシーンがありましたが、どんなことを意識していましたか
個人としては、8000mまではしっかり付いていって、ラスト2000mをしっかり上げるというのを意識してスタートしました。レースが途中遅かったりして前に出たところとかもありましたが、先輩方も前に出ていたのでとても助けられましたし、みんなで出し切ることが出来たので良かったと思います
ーー今後に向けての意気込みをお願いします
もっと強くなって、ハーフなどの長い距離も走れる体をこれから作っていきたいと思います
三須
ーー自己記録を更新しましたが、今日のレースを振り返っていかがですか
練習は順調に積めていたんですけど、4日前くらいから膝に痛みが出てそれが心配だったんですけど、レースで痛みが出ずに走れて結果がついてきたので一安心しています
ーー最後の直線で新入生や大森選手と競り合っていましたが
本当は勝つことに対して貪欲にならなきゃいけなかったというか、レースで勝ち切ることが少ないので、この1年は一つ一つの勝負に勝っていくことが結果につながっていくと思うので、もっとそこは自分に厳しくなろうと思います
ーー新チームが始まりましたが新チームはいかがですか
ONとOFFの切り替えがはっきりしていて、池田を中心に、池田もみんなを縛って走るタイプじゃなくて、みんなを楽しく鼓舞できる選手なので、そういうチームカラーが出ていて、自分も4年生として、役職はないですけどキャプテン、副キャプテンを自分の走りでしっかり支えていきたいと思います
三浦
ーー今日の走りを振り返っていかがですか
途中新入生が引っ張ったり上級生が引っ張ったりと、チームで(記録を)出せた記録会だなと思います。自分の記録としては、28分40秒で自己ベストを出せたんですけど、最後1㌔のところで前に4人が出てそこについていけなかったのが、悔しいところではあります
ーー途中5000mでやめようと思っていたとのことですが、足の痛みなどは大丈夫でしたか
5日くらい前から足を痛めていて、帳尻合わせで出た大会だったんですけど、そこでしっかり走り切るというか、走り切る以上の結果が出せたので、そこは一つ成長につながるかなと思っています
ーー新チームが始動し、強力な1年生も加わりましたが
自分にとっては怖い存在になってきますけど、それに負けてはいられないというか。チームとして、競り合う仲間がたくさん出てきてて、これから一緒に成長できたらと思います
中野
ーー28分台のタイムが出ましたが、今日のレースを振り返っていかがですか
始めの方からキツくなってしまって、途中離れてしまったんですけど、眞田さんとかが途中で引っ張ってくださって、しっかり我慢して最後まで走れたので最低限のことは出来たかなと思います
ーー前に同学年の吉居選手がいたと思いますが、どう見ていましたか
悔しいというか、強いなと思いました。同学年なので追いついて追い越せるように練習を積んで、勝ちにいきたいと思います
ーー今後に向けての意気込みをお願いします
しっかり組の中で勝てるようにしていればタイムも出ると思うので、勝ち切る力をつけていきたいと思います。
◆大会結果◆
①吉居大和(仙台育英高)28分35秒65 PB
②大森太楽(文3)28分35秒66 PB
③三須健乃介(文3)28分36秒65 PB
④千守倫央(商1)28分37秒68 PB
⑤三浦拓朗(商2)28分40秒30 PB
⑥中野翔太(世羅高) 28分58秒80 ☆
⑦池田勘汰(商3)29分06秒19 PB
⑧手島駿(商2)29分24秒97 PB
⑨若林陽大(法1)29分27秒93 PB
⑩畝拓夢(法3)29分38秒60
⑪伊東大翔(国学院久我山高) 29分47秒47 ☆
⑫藤村燦太(商1)29分47秒63 PB
⑬園木大斗(開新高)29分48秒64 ☆
⑭井上大輝(法2)29分56秒02
⑮加井虎造(文3)29分58秒61
⑯助川拓海(経1)29分59秒40
⑰湯浅仁(宮崎日大高)30分03秒91 ☆
⑱谷澤竜弥(経2)30分08秒64 PB
⑲大澤健人(韮山高)30分22秒24 ☆
*☆は初1万メートル
◆お知らせ◆
3月28日(土)に2019年年度 第5回中大記録会が開催予定です
記事・写真:「中大スポーツ」新聞部