春季は全日本覇者・青学大との一騎打ちに敗れあと一歩、優勝には手が届かなかった中大野球部。しかし表彰選手に5人が選出されるなど、快挙も達成した。春の雪辱を果たすべく、夏の練習で弱点を克服して迎える秋。
ラストシーズンを迎える4年生をはじめ、中大の躍進を支えた選手たちが持つそれぞれの特別な思いを全11回に渡ってお届けする。
第5回は春に引き続き秋もチームを支える3年生投手陣の岩城颯空(経3=富山商業)選手、三奈木亜星(商3=浦和学院)選手、山口謙作(商3=上田西)選手です!
<岩城颯空>(聞き手、構成:高橋美帆)
▲春は頼れるリリーフとしてチームを支えた岩城
──今の状態は
「結構いい感じで仕上がってきてはいるかなと自分の中では思います」
──チームの雰囲気は
「チームの雰囲気はリーグ戦が近づいてきている中でよくなってきてはいると思います」
──和やかというよりはピリついている感じ?
「最近はちょっと試合で負けも続いていることもあったのでちょっとピリついているという感じもあったんですけどその中ではいい感じの雰囲気でできていると思います」
──開幕直前ですが今の心境は
「春のリーグ戦あと1勝というところでできなかったので秋こそはっていう感じで優勝したいという気持ちが強いのでそれに向けて今まで開幕に向けてやってきたので自分の中では早くしたいなあという感じで気持ちは上がっているという感じです」
──春優勝まで一歩届かなかったですがその要因をどうお考えですか
「春はピッチャーも野手陣もやれることはやってたと思うのでピッチャーだったらピンチでいかに最小失点で抑えられるかだったり、バッターだったらチャンスで1本出せるか出せないかの出るか出ないかの差だと思ってるので秋もやれることはやってそれが勝ちにつながると思ってるので最低限やっいけたらいいなと思います」
──オープン戦での成果と課題は
「自分はロングイニング投げたいとは思ってたんでオープン戦も先発やらせてもらってて長いイニングは投げる練習はしてきてオープン戦でも投げれてきてはいる。長いイニング投げるっていうのが自分の中で目標というか課題でもあったので、ちょっとずつですけど投げれるようになってはいるのかなと自分の中では思っています」
──ロングイニングを投げるために重点的に行ってきたことは
「長く投げていると疲れが出てきてストライク入らなかったりとかよくあるんですよ。長く投げるために、疲れてきても投げれるようにするためにピッチング練習から球数増やしたり、多い球数を投げる練習の回数を増やしたりとか疲れた時に集中力をもうちょっと意識して投げる練習とかをしてきたのでそういう練習が試合でも出てきてるんじゃないかなと思っています」
──先発だと疲れという部分だけでなく同じ打者と何回も対戦することで打者に狙い球を決められてしまうといったような難しさもあると思いますが、配球の組み方とかそいういうところは何か考えていたりしますか
「自分基本最初はストレートで押す感じだと思う。それが2巡目3巡目になってくると逆に自分も疲れが出てきますし、ストレートの勢いだったりが落ちてくると思うんですけど、そこでストレート狙われているとか2巡目から狙われてるなとかあったらそこは変化球で打ちとるっていうのは自分の中でも感じる部分あるんでバッターの反応見ながら。オープン戦の時からバッターの反応を見ながら何が有効なのかなとか考えながら投げてはいるのでキャッチャーともイニング間にそういう話しながらこのバッターこれ振りに来てるからとかそういう話をして対応してきてると思います」
──オープン戦で印象に残った対戦は
「そんな覚えてないですね。すみません。(笑い)」
──オフの過ごし方は
「休みの日は寮で過ごしますね。自分はあんま外出ることないんで寮でゆっくり。学校ある日とか朝早かったんで朝早起き早寝とか。休みの期間は寝るの重視したり、ちょっと外ぶらぶらしたりはありましたけど基本寮で自分寝るの好きなんで、寝ることメインで休みはぼうっとダラダラ過ごしてましたね」
──帰省とかされた?
「一応テストとかあったのでそれはあんまできなかったんですけど。まあテスト勉強もしながらって感じですね(笑い)」
──母校の富山商業高が甲子園に出場されましたが、試合の様子は見ましたか
「まあ練習あったんで休み休みちょっと目に入れるようにはしていました」
──やはり刺激を受ける部分はあったりしますか
「そうですね。母校が甲子園出場っていうのもあってやはり卒業生としては嬉しい気持ちもありますし、母校頑張ってると自分も頑張らなきゃという刺激もすごくもらえたので嬉しいし、刺激もらったっていうのはあります」
──秋に注目する大学や打者は
「全員嫌なバッターですけど青山学院とか特に嫌だなというイメージはありますね。一発もありますし。その中でもクリーンナップ打っていた西川(史礁=青学大)さんとか小田(康一郎=青学大)さんとか佐々木(泰=青学大)さんとかそこら辺は振りも強いですし結構怖いイメージはありますね」
──4年生と野球ができる最後のシーズンですが、4年生への想いは
「そうですね。自分の中では先輩にはたくさん迷惑かけてきたと思っていて。普通に寮生活でも野球でも結構自分はお世話になってる部分もあるので。その分試合で結果出して言葉とかであんま言えないのでリーグ戦で野球してる姿とかで感謝の気持ち伝えられたらいいなと思います」
──仲のいい4年生は
「よくグラウンドでもピッチャーと野手分かれてますけどピッチャー4年生の今村(拓哉=文4・関東第一)さんによくしてもらってるんで。春も今村さんとか自分とかみんなが頑張ってピッチャー陣を引っ張ってくれてたんで、自分もそれについて行こうと思って頑張ってたし練習も一緒にしたりとかもあったんで今村さんは結構印象強いし仲良いですね」
──今村選手の尊敬する部分は
「自分で今日は何をするとか計画を持って練習されてますし、1人で黙々とやってる姿をよく見るのでそういうところはすごいなとか見習わなきゃいけないなとかずっと思ってたのでそういうところがすごいなとか。あとは練習とか試合でピッチャー陣をまとめるというか引っ張るというか行動で引っ張っていく感じなので自分はまとめるとか上手くないので自分もそういう感じでまとめたり引っ張って行けたらいいなと思うし、そういうところがすごいところだと思います」
──ご自身のチームでの役割をどんなものだとお考えですか
「そうですね。あんまり考えたことないですね。まあでもチームのほとんどは野手のみんながメインっていうか。自分の代の3年生で試合出てる人達って明るい人達多いのでその雰囲気に自分は乗っかってるだけなので特に役割とかないですけど。でもピッチャー陣の中ではまとめなきゃいけないなっていうのは自分の中では勝手に思ってるんでそこは同級生の山口だったり三奈木だったりと引っ張って行けたらいいなというのは思います」
──春は継投が多かったと思いますが、秋の投手の起用方法について監督さんや投手陣、捕手の方と何か話されていたりしますか
「秋も自分たちピッチャー陣で話してるのは前いく人がゲーム作って後ろの人にバトンを渡すというかそういう話をよくするので、多分秋も春みたいに継投にはなると思うんですけどまあ自分やみんなが行く時には1人1人が1人ずつ抑えてみんなで繋ごうみたいな話はしていてだいぶその意識が浸透してます」
──岩城さん自身は先発?
「まだはっきりとは伝えられてはないですけど多分そうなるんじゃないですかね」
──先発を務めたいという思いは
「自分の中では先発してゲーム作って完投とか完封とかできたらいいですけど。そこで勝ってる状態で後ろに繋げられたらいいのかなと思います」
──春はクローザー的な役割を務めることも多かったですが、先発をする上でクローザーを務める時との意識の違いはありますか
「先発の場合だとゲーム作んなきゃというイメージがあって自分1人の調子でゲーム壊すことだってできるしそれを粘ってゲーム作って0−0の状態に持ってくこともできるっていうのがピッチャーの仕事だと思ってるんでゲーム壊さないようにとかはイメージしてます。逆に抑えは勝っている状態でも競っている状態が多いと思うので、それはもう流れというか。後ろの場合は最初からギアマックスの状態で行くのでそこの違いはあるかなと思います」
──試合前のルーティーンは
「練習的なことで言えば体のチェックというかトレーニングしながらちょっと刺激入れるくらいで。それで寮帰ったらひたすら寝るっていうかぼうっとしてるっていうか携帯で適当に音楽かけながらぼうっとしてる。そのまま寝て朝を迎えるっていう。ルーティンって言っていいかわからないんですけどまあ日常的なことですね」
──これっていうことをやらなくても大丈夫なタイプなんですね
「そうですね」
──秋のご自身の投球のアピールポイントをお願いします
「毎回言っていると思うんですけど自分の投球スタイルはストレートでガンガン押してピッチャー有利なカウントでバッターと勝負して打ち取ったり三振取ったり。それを続けた結果が5回無失点とかいいピッチングに繋がると思ってるので自分の投球できるように圧倒っていうか圧倒できてるかわからないんですけどストレート主体でガンガン押していくという投球スタイルなのでそこが春と変わらず見どころなんじゃないですかね」
──そこはやはりぶれないんですね
「そうですね。そこを変化球に頼っちゃうとストレートが生きてこないし自分の投球スタイルがわからなくなってしまうのでそこはぶれないでストレート強くやっていきます」
──同級生に三奈木選手や山口選手、意識する部分や刺激を受ける部分、尊敬する部分は
「やはり同級生に2人もリーグ戦でばんばん投げてるピッチャーがいて、やはり自分が投げてなくて他の2人が投げて抑えて試合勝ったりとかあると思うんですけどそれはすごく嬉しんですけどその反面自分もそういうふうに投げて勝ちたいなっていう思いがまた出てくるので嬉しい気持ちもあり、ちょっと自分もやってやろうみたいな気持ちも出てくるのですごいいい刺激を2人からもらっている。あとは2人とも自分のこうしたいこう投げたいとか持ってるんでそこはすごいいいところだなと思います。あとはシンプルに2人とも仲良い友達なんで3人で頑張っていけたらいいなという感じです」
──やはり投手陣で連帯してっていう?
「そうですね。みんなタイプ違うんで。やはり自分のやるべきことをやってそれがいい結果につながっていくっていう。2人とも自分には持ってないものを持っているので。そこを真似しようもできないんで。自分の役割を果たすっていうところがありますね」
──そんな仲の良い投手陣同士でお互いのピッチングに対してアドバイスしあったりするんですか。
「まあありますね。自分だったら変化球苦手なんで。他の2人は変化球器用だと思ってるので変化球どう?みたいな。自分が逆にアドバイスもらっている。自分からアドバイスすることはほぼないです」
──ストレートのアドバイスとかされたりしないんですか
「いや、ないです(笑い)。だって2人ともストレートいいもの持ってるから。なので自分がアドバイスすることはないんですけど自分が逆にずっと聞いてるっていう感じです」
──具体的にどんなアドバイスをもらいますか
「スライダーだったりフォークを見てもらって、この前より良くなったんじゃないとか、もうちょっとこうしたらいいんじゃないとか、手首の角度変えたらどうとか、いろんな話しますね。あとは普通に配球的な感じのこととか。こういう時こういうのを投げるんだよねとか話すくらいなんで。そんな感じです」
──重要な場面を任されることも多いですが、メンタルは強い方ですか
「いやめちゃくちゃ弱いです。」
──どんな心境で投げてるんですか
「いつもはやばいよおっていう感じで。この場面で行くのやばいってと思っていつもやってますね(笑い)」
──なにかメンタルトレーニングなどされていたりしますか
「いや特にないですね。マウンド行ったらスイッチ入れてやるしかない。思いっきり投げるしかないっていう感じでいつもやってます。打たれたら打たれたで」
──割り切って?
「はい」
──開幕戦は日大ですが、日大の印象は
「そうですね。振ってくるバッターもいれば粘ってくるバッターもいるんで。あとはまあそれを気にせずファーストストライク取って自分有利に進むといいとは思ってるんですけど。あとはエンドランとか仕掛けてくると思うんでそれにびっくりすることなく冷静に投げれたらいいかなと思います」
──東農大が2部から昇格してきましたが東農大打線の印象は
「まだ入れ替え戦しか見てないんですけど、結構止まらない打線みたいなイメージついちゃったんで。まだどういうチームなのかわからないんで。でも連打くらったからやばいとか思わずにこれも冷静に投げれたらいいなとは思ってますけど」
──単位の方は順調ですか?
「単位の方はそこそこ順調だと思ってます(笑い)」
──同じ学科の選手たちと教えあったりしていますか
「そうですね。経済学部は経済学部でみんなで助け合いながらやってます(笑い)」
──プロ野球で応援している球団は
「自分は好きな球団とか特にないんですけど先輩2人が行っている球団はちょっとは気にはなりますね。巨人と横浜はちょっと気にはなるっちゃなります」
──同級生の繁永(晟=商3・大阪桐蔭)選手がジャパンに選出されて活躍されていましたが、刺激を受ける部分は
「選ばれるってことはまあすごい選手だと思ってるんでまあ同級生にそういう選手がいてとてもいい刺激をもらってるんでめちゃくちゃいい選手やなあという感じでいつも見てます」
──春のビジョンのマイブームにウサビッチと書いていたと思うんですけどアニメとかよく見られるんですか
「そうですね。アニメは王道なやつしかあんま見ないですけどたまたまその時はTIKTOKでよく出てくるなと思って。ああ懐かしいなっていう気持ちがあったんでそういうふうに書きました(笑い)」
──チームとしての目標と個人としての目標は
「チームの目標としてはスローガンである『結勝』というのが第一なんで。スローガンにあるように繋いで勝つっていうのがチームのイメージっていうか流れとしてあるので自分のやるべきことをやって後ろに繋ぐとか次に繋げるとかそういうイメージでやって優勝することが目標で、個人としては似たような感じになるんですけど自分のやるべきことをやって最小失点に抑えて、自分が投げてチームが勝てばいいかなっていうのが目標です」
◇岩城颯空(いわき・はくあ)◇
学部学科:経済学部・国際経済学科
身長・体重:182.2㌢・92.9㌔
出身高校:富山商業高校
<三奈木亜星>(聞き手、構成:松岡明希)
▲心は熱く、頭は冷静に!気迫のこもったストレートで秋の活躍が期待される三奈木
──昨シーズンをふりかえって
「春はあまりチームに貢献できることなく、最後しかちょっと投げれていないんですけど、個人的にも悔しい結果になりましたし。チーム的にも最後の一戦で負けるという形になって悔しい気持ちで終わったシーズンでした」
──点数をつけるとしたら
「100点満点で5点くらいですね。投げられていないので」
──初戦の駒大戦、1点ビハインドの8回ピンチで、引き離されるわけにはいかない場面でのいきなりの登板でした。マウンドに上がるときの心境は
「開幕戦ということで緊張はあったんですけど、心は熱く、頭は冷静に。ということで。体も熱くなりすぎてしまうと制球が定まらなくなってしまうので。冷静な感情で投げました」
──抑えた時の心境は
「負けていたので、何とかチームに勢いが付いたらいいなと思っていました」
──緊迫した場面でマウンドを任されることが非常に多かった。メンタルトレーニングはどのようにしているのか
「自分が心掛けているのは、いいイメージを持つことで。ランナーいる場面とかで行くと、どうしても一本打たれると点が入るけれども、やる前から負ける、やられるというイメージは全く持たず、勝つというイメージだけを持ってやっています」
──クローザー的な役割も担っていた。どんな言葉をかけられてマウンドに行くのか
「基本的にがんばれよとか、落ち着いてとかですね」
──球速150㌔を超える球も投げていた。トレーニングの成果か
「2年生の時から投げられていたので。球が速くなったとかはないんですけど、自分の持ち味はストレートで押していくことなので、それを意識してやっているだけで。スピードというのは試合中あまり意識はしていないですね」
──西舘(勇陽=令6卒・現読売ジャイアンツ)選手や石田(裕太郎=令6卒・現横浜DeNAベイスターズ)選手など4年生投手陣が抜けた後の初めてのリーグ戦。違いは感じたか
「西舘さんとか石田さんとかがいたら7回まで一人で投げ切る試合もあったんですけど、今はつなぐということが多いので。そういうことでも一人一人の役割がしっかりしていて、責任感も出てきているのかなと」
──先輩方から連絡などは
「ちょくちょく。西舘さんは焼肉連れて行ってくださったり、一緒にご飯食べたりとか。裕太郎さんとかはリーグ戦期間とか。誕生日もおめでとうと言ってもらいました(笑い)」
──背番号も西舘さんの11番を受け継いで迎えた初めてのリーグ戦。何か違った思いはありましたか
「そんな意識はしていないですけど、あのくらい圧倒的な投球をしたいという思いは常に持っているので。それが一番難しいんですけど。そういった思いはあります」
──先ほど「つなぐ」ということを言われていた。投手陣でどのように声を掛け合っていたのか
「最少失点で切るというのが。あと声かけというよりは、皆がマウンドに上がったら一球目から全力で投げることができるように準備の段階で投げる人のサポートをして。周りの人が投げやすい声かけというか、頑張れとかそういう声かけはできているので。それで春はうまくかみ合った感じかなと」
──岩城、山口、東恩納(蒼・商1=沖縄尚学)、子安(秀弥・経1=東海大相模)が大奮闘。三奈木選手から見るそれぞれの選手のすごいところは。
「下級生の二人は元気というか、フレッシュな気持ちで投げていて。自分も1年生の時投げていたので思い出すというか。そういった意味では先発とかして、大事な場面でも投げていたのですごいなと。同級生の二人は試合を作る能力とか。試合の時はすごい向かっていく気持ちがあっていい関係だなと思いますね」
──この4人に負けない三奈木選手の最大の武器は
「ストレートで押すピッチングです」
──出た試合では毎試合三振を奪った。三振へのこだわりは。
「三振を狙っているわけではなくて。追い込んでいった中でそういう結果になっているんで。できれば本当は1球で打ち取るのが楽でいいんですけど。どちらかと言えばファールが出るタイプのピッチャーで。別に狙ってとっているというわけではないですね。ピンチだったら少しは狙って投げるときはあるんですけど。まあ逆に狙わない方がうまくいくときもあるので。そこはあまり意識していないですね」
──1イニングの理想の球数は
「やはり3球になりますね。まあ少ない方が楽に終わるので」
──シーズンを通して疲労はどのあたりでピークに達するのか
「春は全然投げなかったので疲れていなかったんですけど、やっぱり1カード目から連投、3連投とかなってくるときつくなってくるんですけど、そこでいかに頑張れるかが勝負だなと」
──三奈木選手流の疲労の抜き方は
「ストレッチ、柔軟をしっかりと。また連投とかなったときに体が固まっていると投げられないんで、しっかりとウォーミングアップだったり試合が終わった後のクールダウンだったりやるようにしています」
──今季新たに取り組んでいることとしては
「フィジカル的には瞬発力をあげるためのトレーニングだったり、変化球の精度を上げる練習だったり。メンタル的にも常に平常心で投げられるように、ブルペンから自分の頭の中でイメージして投げています。」
──優勝まであと一歩のところで競り負けた。チームの試合前の雰囲気、試合後の雰囲気を教えてください。
「試合前は優勝するというその思い一つで、終わったらみんな悔しくて涙している人もいました」
──勝つためにそのギャップをどのように埋めていこうと、プランはありますか
「まずは一番最初に出てくることは、春に優勝争いしたからと言って秋に優勝争いできるとは限らないので。まずは1部に残るためのおごらない気持ち。2位だからと勘違いをするのは良くないので。当たり前のことを当たり前にやるということですね」
──後輩からアドバイスを求められることも増えてきたのではないでしょうか
「ちょくちょくなんですけど、熊谷(陽輝・経1=北海)とかがピッチャーをやっていて変化球とかストレートのこととかを聞かれることはありますね」
──伝えるときに大切にしていることとは
「あくまで自分の感覚とか。人によって骨格とか筋肉とかそういう体のつくりは全然違うと思うので。あくまで自分の投げやすいものだからそれが全てではないよということは伝えています」
──高校野球、母校の浦和学院高の試合は見ましたか?
「映像で見ていました。やはり浦学に甲子園出てほしかったなと」
──夏はどう過ごされましたか
「野球漬けでしたね」
──試合前のルーティーンはありますか
「それが特になくて。まあ1つあるとしたら音楽を聴くぐらいですかね。その時の気分でどの曲を聴くか選んでいますね」
──あと数日でリーグ戦が始まりますが、どのような調整をされているのですか
「1日でも早くベストな状態に持って行って、リーグ戦開幕から行けるように」
──同部屋の中村伊吹(商4・宇治山田商業)さんと過ごす最後のシーズンになりますね。特別な思いはありますか
「2年間同部屋で一緒だったので。ちょっとさみしい気持ちもあるんですけど、一緒に優勝して喜べたらいいなと」
──今シーズンここをこだわりたい、見てほしいという所は
「気迫のこもったピッチングを!」
──今季の目標
「チームの目標は優勝、日本一です。個人的な目標はまだ規定投球回に行ったことがないので。そこを行って結果的にその中で一番抑えられたらなと。そのためには調子もありますけど、自分は気持ちで負けないという。そこが一番課題なので。気持ちで相手を圧倒できるように頑張りたいです」
◇三奈木亜星(みなぎ・あせい)◇
学部学科:商学部・国際マーケティング学科
身長・体重:178㌢・82㌔
出身高校:浦和学院高校
<山口謙作>(聞き手、構成:比留間柚香)
▲春は3勝を挙げ投手陣の軸となった山口
──春季リーグを終えてからどのような練習に力を入れましたか
「けががあったのでその間は体幹だったり、できないなりの練習をして、その練習の成果がオープン戦だったり今の試合の中で生かされていると思います」
──具体的にどのような場面で
「春は変化球で抑えることがあって、ストレートにあまり自信がなくて使えてない状態だったので、秋もその状態で行った場合打たれてしまうのが分かってたので、少しでも上達するように考えたときにストレートを磨きたいなと思って。具体的な何か練習はそんなにしてないですけど、試合でストレートいっぱい使って今のオープン戦だったり投げれてるなというのは実感してます」
──オープン戦での調子は
「先発でずっと投げさせてもらってて、状態は結構いいなって自分の中では思ってます。試合の結果も打たせて取ったり、球数は春は5回ぐらいで代わってたんで秋は9回投げられるようにと思っているので、球数少なく長いイニング投げられるいい状態なのかなって思います」
──社会人やプロの選手とも対戦されたと思いますが手応えはいかがでしたか
「プロとの試合は出てなかったんですけど、社会人は都市対抗に出てるNTT東日本とか自分がいい所に投げてもヒットにしてきたりすごい振りが強かったので、そういうところではすごいなって、1つレベルが違うなって思いました」
──リーグ後の課題ではストレートを挙げていましたが今は調子がいいですか
「そうですね、バッターの反応だったり空振りだったりが春より全然増えていて、変化球で打ち取るっていうこともあんまりなくストレートで押してアウト取れるようになってるので、そこは春の課題が少しは潰せてるのかなと」
──春季リーグではチームトップの3勝で先発としてチームを引っ張ってきましたが秋も先発ですか
「いや、まだ分かんないですけど、春みたいに最初は後ろだったんですけど途中から先発になったり、チーム状況も考えてそこは監督さんが決めるんで出されたところでチームに貢献できればいいなと」
──夏休みの期間に改善できたことは
「ちょっとフォームを変えて。ワインドアップというか腕上げてリズムつくるようにっていうのに変えました」
──最近の実戦でもワインドアップで投げているんですか
「そうですね、ランナーいないときは投げてます」
──夏休みの練習で誰かにアドバイスをもらったりしましたか
「ピッチングコーチの花田さんと春に見つかった課題とかの話し合いをして、秋はこうやっていかないといけないっていうのをちゃんと明確に教えてくださって、夏休み自分がブルペンだったり試合で投げてるのを見てくださってそこでストレートでだいぶ押せていたので、『もっと強気でストレート投げれば抑えられるからもっと使っていけ』みたいな感じで」
──逆に山口選手がアドバイスをした選手はいますか
「アドバイスですか? いないっすね(笑い)」
──後輩の投手などには
「アドバイスというか、先頭バッターが自分の中では一番大事だと思っていて。先頭を抑えれば自分も楽ですし、先頭に打たれてしまったらピンチにもなりやすいんで、そういう部分では自分が投げ終わった後とかに投げるピッチャーに対しては先頭しっかり抑えろっていうのを言ってます。ちゃんとそれをやってくれてるんで、ピッチャー陣としては全員いい調子なのかなと思います」
──夏休みのオフは何をされましたか
「夏休みのオフですか。ゆっくりしてました」
──どこか出かけたりとかは
「あんまないっすね」
──母校の上田西高校の試合は見ましたか
「1回戦で負けてしまったんで。ちょうど5回ぐらいからライブ配信で見て、負けちゃったんですけど来年頑張ってくれれば。ずっと毎回秋も夏も見てるので頑張ってほしいですね」
──甲子園の本戦は見ましたか
「たまにですね」
──オープン戦を終えて、秋リーグの注目選手を挙げるとしたらどなたですか
「注目選手ですか? 秋山(恭平=商3・広島新庄)くんですね。秋山は同級生で、ずっとけがで苦しんでてやっと投げられてるんで、うれしさというか。自分たちも頑張ってるんで自分たちの代で頑張りたいなって思ってるんで、そういう部分では自分と岩城と亜星とかみんな仲いいので、3人投げてるんで秋山にも頑張ってほしいので選びました」
──同学年の岩城選手、三奈木選手のオープン戦を終えての印象は
「すごいっす(笑い)。すごい抑えてるんで自分も頑張らなきゃなって思いで頑張ってるんで、いい刺激というか、みんなで頑張ってるんで自分も食らいついて頑張ってます」
──もう少しで秋季リーグが始まりますが調子はいかがですか
「春より投げててすごいいい調子だなっていうのは実感できてるので、春は悔しい形で終わってしまったので秋こそは優勝できるように活躍したいなと思います」
──今のチームの雰囲気は
「すごいいいっすね。いい感じです」
──開幕戦は春季リーグの時に7回途中までノーヒットに抑えた日大ですがどのような印象ですか
「そうですね、足速い選手が多くて3、4番あたりのクリーンアップの選手は振れてる感じだったので。春は抑えたんですけどだから秋も抑えられるっていうのはないので。クリーンアップの前にランナーを出さないように投球していきたいなと思います」
──リーグ戦で負けたくないチーム、選手は
「全部負けたくないです」
──東農大が1部に昇格してきましたが打線に対して気をつけることは
「そうですね、入替戦見ててすごい長打力あってバッティングのチームだなって感じたので、たぶん入替戦で勝って勢いあると思うんでバッター陣に対して低めに投げていけば抑えられるんじゃないかなと思います」
──今のチーム内での自分の役割についてどのように考えていますか
「そうですね、春は先発としてチームを勝たせられたので、秋もそういう役割を任せられてイニングも投げると思うので、0に抑えられるように頑張りたいです」
──秋季リーグここに注目
「ピッチャー陣で。ピッチャーいいんで」
──最後に個人とチームの目標をお願いします
「チームはまずは上を見すぎないように一戦一戦やっていけば、春みたいに最初は上見てなくてもどんどん勝っていっておのずと上が見えると思うので。最初の開幕の日大戦が大事だなって自分の中で思ってるので、一戦一戦頑張っていきたいなと思います。個人は春よりいい成績を残せるように頑張りたいです」
◇山口謙作(やまぐち・けんさく)◇
学部学科:商学部・国際マーケティング学科
身長・体重:176.0㌢・77.9㌔
出身高校:上田西
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