2022年11月20日 埼玉・上尾運動公園陸上競技場
11月の肌寒い気候と曇り空、レースには抜群のコンディションといえる天候の元で3年ぶりに開かれた今季の上尾ハーフ。1週間前の世田谷ハーフに続き、箱根駅伝への選考レースの一環として、多くの選手が出場し、好記録をマーク。箱根駅伝メンバー入りに向けて猛アピールした。
▲曇り空の元でスタートした上尾シティハーフマラソン
今大会について「故障などでコンディションを合わせるのが後ろ倒しになった選手や、MARCH対抗戦などのトラックレースを挟むよりもロードレースに絞った方がいい復路の選手の選考を」と山本亮コーチ。ロード巧者の選手にとっては、この上尾ハーフ一本に絞っている選手も多く、まさにメンバー入りに向けての覚悟で今回のレースを迎えた。
チーム内ワンツーを飾ったのは、助川拓海(経4)、田井野悠介(文4)の4年生二人。いずれも62分36秒と62分39秒の好タイムでのフィニッシュで4年生の意地を見せた。
▲チーム内トップ、全体11位でゴールした助川
「出雲、全日本と同期がたくさん活躍していく中で、夏にけがをして全然練習をつめなかった」という助川は、この上尾一本にかけてきた選手の一人でもあり、喜びも一塩。「62分半切りを目標にしてきたので悔しさはありますが、チームトップで自己ベストも出せたので一安心できる結果かな」と笑顔をみせた。自身の強みは向かい風の強さと単独走と語る助川は、悔いのない走りで最初で最後の箱根駅伝への出場を狙う。
「集団がばらけたときから単独走になってしまって、最後助川に追いつきたかったのですが…」という田井野。春先は就活などで疲労が出て、夏まで体調が上がらなかった。しかし、夏は4年間で一番練習ができたと自信をもって臨んだレースで会心の走り。「去年、井上さん(大輝・前主将、令4卒)が、納得して満足して最後の箱根駅伝を走ったのをみていたので、自分もあんな風にきれいな終わり方がしたい」と目標を語った。
▲チーム内2位を走る田井野は途中から単独走に
山本コーチは「助川、田井野の二人は本当によく練習ができていた。外したらこれで終わるかもしれないというプレッシャーの中で、きちんと結果を出したというところが、箱根駅伝でも十分に戦えることを示してくれた」と4年生の二人を評価した。一方、チーム内4番手となり、「全日本から2週間後のレースで、想像以上に体が重く調子が上がり切らなかった」と語った中澤雄大(経4)については「同級生が走り、悔しいという思いがあると思うが、ここからしっかりと疲労を抜いてもう一回つくれば箱根駅伝には合わせられる」とゆるぎない信頼を口にした。
チーム3番手に高沼一颯(経2)が入るなど、新戦力の台頭も見られ、多くの収穫があった今大会。一方で駒大、法大、国学大、順大など、8位入賞を箱根駅伝出場校が占め、強豪校の層の厚さを垣間見るレースにもなった。「やっぱり強いなと。特に駒澤さんはいくらでも枚数がいるなと思いますが、十分戦っていけるだけの選手は整いつつある」と山本コーチは語る。正月の箱根路まで残り1カ月と少々。今年から再び沿道観戦が可能になり、大手町に沿道からの歓声が戻ってくる。栄光の箱根路にて深紅の襷をしょって立つのは誰になるのか、学内選考の激しさは増すばかりだ。
◆大会結果◆
11位助川拓海(経4)1:02:36
13位田井野悠介(文4)1:02:39
50位高沼一颯(経2) 1:03:35
55位中澤雄大(経4)1:03:41
83位矢萩一輝(法2)1:04:23
(記事:角谷優希 写真:角谷優希、石坂明日香)
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