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【箱根駅伝特集2023/勇往邁進】第4回 吉居大和(法3)

今季は出雲駅伝3位、全日本大学駅伝7位という結果の中大。三大駅伝はとうとう箱根駅伝を残すのみとなった。「総合3位以内」という悲願に向け、勇往邁進。大会を直前に控えた選手たちは何を語るのか。

第4回は中大の大エース吉居大和(法3)。出雲、全日本を経て、箱根にかける思い。エースとしての心境を明かした。(取材は12月1日に行いました)


▲全日本大学駅伝で走る吉居大

「エース」としての覚悟

——今年の箱根駅伝での走りを今、振り返るといかがですか

「夏以降、箱根駅伝の1区に向けてしっかり準備をした結果をすべてぶつけることができて、すごくいい経験になりました。」

——今季の出雲でも「1区での飛び出し」が印象的です

「一番は自分のペースで走りたいという狙いがあります。それから、1区を走るということは、どれだけ稼げるかが大事だと思っていて。ラストの短い距離だけではライバル校との大きな差は生まれないので、自分の力を出し切れるように。ラストスパートだけで生まれる差以上に差をつけて、いい流れで2区以降の選手が走れるようにという意識で走ってきました。」

——今度の箱根でも1区を走るとなれば、やはり飛び出しますか

「一度飛び出す展開をやっているので、周りも意識してくると思います。飛び出して前回のようにうまくいくレースというのは中々難しいと思っていますが、もちろん1区を走ることになったら前回以上の走り、途中から周りを離す走りをしたいです。」

——今シーズン箱根に向けて1年間どのように練習を積まれてきましたか

「今年は、トラックシーズンで故障をしてしまって。夏合宿で少し出遅れてしまったのですが、駅伝シーズンで一つずつ距離を伸ばして練習をしてきました。今、20㌔に向けての距離に対しての練習も行ってきています。故障中に、トレーニングをして体づくりをしてきたので、そこで前回以上の結果を残せたらなと思っています。」

——故障時のモチベーションの保ち方や回復までの取り組みは

「正直完全に休むというよりは走りながらでした。当時は走りたいという気持ちが勝ってしまっていて、走れるようになっても痛みが出てというのが続いてしまっていました。今年は三大駅伝全てに出場ということで、チームに結果で貢献したいと思っていたので『駅伝シーズンしっかり走れるように』という気持ちがモチベーションになりましたね。」

——出雲、全日本に出場できたことは箱根に向けてどう影響していますか

「故障をしてしまったあと、そこまで長くない出雲駅伝で挑戦できて結果を残すことが出来たので、箱根駅伝の距離に向けて伸ばしていく中ですごく良い流れになりました。」

——全日本では直前まで帯状疱疹だった中、走りたいと監督に直訴をしたと

「前日に練習をして問題ないだろうという気持ちでしたが、監督に走りたいと伝えた後は思ったよりも緊張や不安がありました。自分はエースということで、全日本でシード権がかかっていたので、そこに貢献したいという気持ちで『走りたい』ということを監督に伝えました。」

——エースとしての自覚が走る原動力だったんですね

「そうですね。同じ学年の中野翔太(法3)が走れない状況だったので。お互い走れないとなると、チームとしてはただの走力的な結果というよりも、他の選手たちのモチベーションにも影響してしまうと思いました。自分がしっかりとチームに勢いを与える走りをできたらと思っていました。変わってもらった東海林(宏一、経2)には自分のわがままを聞いてもらって申し訳ない、ありがとうという気持ちで、代わってもらったからにはいい走りをしないとと思っていました。」

——結果は6区で区間賞を

「6区はどちらかというとつなぎで、エースが集まる区間ではないので、上位で走りたいという気持ちでした。結果、区間新でしたのでほっとしました。ただ結果的に他の大学と比べると自分がエース区間で活躍しなければいけないとも感じました。」

箱根駅伝へ、同期や後輩への期待

▲ゴールデンゲームズinのべおかでの一幕

——箱根駅伝に懸ける想いは

「前回、10年ぶりにシード権という結果を残すことができましたが、今回の箱根でシード権圏外に落ちてしまうと、ずるずるとシード権を取れない期間が続くチームになってしまうと思います。ここでもう一段階上のレベルで戦うことができれば、その次からもチームとしての勢い、モチベーションが上がってくると思うので、大切な1年になると自分は思っています。今年以上の走りを一人一人がして、どれだけ先頭争いができるかという意識を全員で忘れずに走れたらと思います。」

——個人としての目標は

「区間賞というのをまずは意識していて、自分が良い流れを、後ろの区間の人が走りやすい展開に持っていけるような走りがしたいです。」

——何区を走りたいですか

「まだ正確には決まってないのですが、自分は1、2、3区のどれか前半の方だと思っています。」

——難しい質問かもしれませんが、自分と同区間を走りそうな選手はいますか

「葛西潤君(創価大4)とは…なんとなく同じになりそうだと思っています。対策とかを考えいるわけではないんですけど、もし同じになっても自分の力は出し切りたいです。」

——他大で特にライバル視しているところはありますか?

「個人的には順天堂大学さんと國學院大学さんは勝負しなければいけないと思っています。もちろん青学さんや駒澤さんとどれだけ戦えるかというところもあるのですが、チームの目標である3位を達成するには、同じくその2校を追っている、順天堂大学さんと國學院大学さんとどれだけ勝負できるかだと思っています。」

——順大の三浦龍司選手はやはり意識しますか

「そうですね。同じ学年で活躍して結果を残しているので、自分も力をつけて勝負したい、戦いたいという気持ちがあります。」

——チームとしては中野翔選手と二本柱で箱根を走っていくかと思います

「(中野翔は)全日本では調子が上がらずに回避をしたのですが、そこからは順調にトレーニングができているので、中野なら万全な状態でスタートしてくれると思います。中野は目標達成に向けてなくてはならない存在で、しっかりと走ってくれないとチームの流れも悪くなってしまうくらい重要な役割を持っている選手だと思います。」

——弟の駿恭(法1)選手については

「1年生としてはすごくいい結果で来てると思うのですが、駿恭は自分と中野と同じレベルとして扱っていかないといけない。エースとまではいかないですけど、中大の中で一番走らなきゃいけない3人だと思うので。出雲と全日本と『1年生にしては』という走りは出来ていますが、箱根に関してはもっと上を目指して走ってほしいなと思います。」

——1年生世代では溜池(一太、文1)選手もいらっしゃいますね

「溜池は入学してからトラックシーズン、出雲といい結果を残してきています。全日本で走れなかった悔しさを、箱根や来年のシーズンに繋げてくれたらいいなと思っています。」

4年生世代と走る最後の箱根

▲前回の箱根駅伝では1区5㌔過ぎから独走(©︎Getsuriku)

——4年生との一番の思い出は

「全日本で若林(陽大主将、法4)さんと襷(たすき)リレーをできたことが僕の中ではすごくいい思い出でした。若林さんとは学部も一緒なので、いろいろ勉強の事だったりも教えてもらったり話したります。」

——来年吉居選手が4年生になった時に、見習いたい面は

「チームをまとめるのが本当に上手で。物静かな人が多いイメージですが、チームの事をすごく考えてくれる学年なので、そこを見習いたいです。」

——4年生には箱根でどんな走りをしてほしいですか

「それぞれが悔いの残らない走りをしてほしいです。千守(倫央、商4)さんは1、2年生の時に悔しい結果で終わっていると思うので、最後にその悔しさを晴らせる結果を。若林さんに関しては3年連続で6区を走っていて、今までの中で一番良かったと思えるような結果で走ってもらえたらうれしいです。」

(取材・構成:鈴木咲花)

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