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田母神ベスト大幅更新!魅せた4年の底力ー第275回日本体育大学記録会1日目

11月30日 日本体育大学健志台陸上競技場

箱根前最後の選考を兼ねたレースで、田母神一喜主将(法4)や二井康介(文4)など上級生たちが奮闘した。2週間前の上尾ハーフに出場した選手を中心に、8人が出場した昨日の日体大記録会1万㍍。気候にも恵まれ、それぞれが次に繋がる走りを見せた。▲レースに挑む第8組に出場した選手たち

「間違えれば今日が自分にとって引退レースになってしまうこと、エントリーメンバー外も十分ありえる」(田母神)。あくまで本戦を見据え練習の一環として出場した田母神だが、この試合を外すわけにはいかなかった。

レースは序盤からこの時期の記録会と組を考慮するとゆったりしたペースで進んだ。最初の1キロは2分59秒で通過。田母神は積極的に先頭に付き、大きく伸びやかな走りでリズム良くペースを刻んだ。▲伸びやかな走りを見せる田母神

5キロの中間点を過ぎレースが動く。小林龍太(経1)が積極的に先頭に立ち集団を引っ張った。それに田母神、二井も続きレースは後半へと差し掛かる。小林は惜しくも徐々に集団後方に後退してしまうものの、田母神と二井のペースは落ちなかった。

ラストは田母神が持ち前のスピードを生かしたスパートを見せ、中大OBの代田修平氏(現カネボウ)に次ぐ組2着でフィニッシュ。「ラストが伸びなかったのが反省点です」と課題を口にするも、自己ベストを約45秒更新する29分30秒をマークした。▲ガッツポーズでゴールする田母神

赤のCの周りに黄色の縁が入った、部伝統の高い水準を突破した者にしか着ることが許されない「黄台のC」を身にまとっての最後のレースとなった田母神。4年間主戦場として戦ってきた大学最後のトラックレースを納得の形で締めくくった。

二井も田母神に先着を許すも、4年生の意地を見せレースをまとめた。「今までずっと課題だった、中盤で大きく崩れるっていうことはなくて、ペースを安定させるっていうことではうまくいってるのかな」と一定の手応えをつかんだ。▲力強い走りを見せる二井と後に続く小林

「上尾で思ったより疲労が出た中での練習の一環として、キロ3分で押し切りたかったですが粘ることはできた」(岩佐)。29分台でのゴールとはならなかったが、確実に岩佐の調子は上向いている。

岩原智昭(文3)はレース開始直後に転倒するアクシデントに見舞われたがベストを更新。「少し故障明けでいきなり転倒もして心が折れかけたんですけど29分台でまとめられて最低限の走りはできた」とレースを振り返った。また小林もベストを3分以上更新。今後の活躍に期待を抱かせる結果となった。▲29分台でレースをまとめた岩原

ここに来て4年生全体の勢いが増してきた。藤原駅伝監督も「非常にチームにとっては良いこと。シードに向けての執念というのが出てきてるのかなと感じます」とチーム状況を評した。箱根エントリーメンバー16人、そして10人の出走メンバーに誰を選ぶのか。指揮官にとっても嬉しい悩みのタネが増えたはずだ。

選考レースから、今度は強化期間へと選手たちは移行する。「ここからメンバー争い、10人に絞る練習があるので気が抜けないです。ここからもう一段上げていければ」(田母神主将)。チームはシード奪還のため本戦前最後の一ヶ月へと突入した。

◆コメント◆

藤原駅伝監督
――今日のレース全体を振り返って
そうですね。非常にコンディションも先週(学連記録会)に比べたら抜群ということで、その中では自分たちでレースを作ってって基本的には(タイムを)出してくるという感じで、内容が非常に良かったかなと思います。

――田母神選手は練習の一環として走ったとのことですが
田母神と岩佐に関しては毎回しっかり箱根に向けて、距離の溜めをしっかり作った上で本番迎えたいよねというところがあったので、上尾からここまで調整せずに練習を積んで今日を迎えられたという形ですね

――田母神選手が大幅に自己ベストを更新されましたがその辺りに関しては
能力は非常に高いですから、夏の練習を見てる限りではここまでのタイムは出てもおかしくはないなというのはありましたけども、この前のハーフと今回の1万の二本揃えてきたところは流石だないうところですね

――二井選手も復調した走りが見られたと思うのですが
そうですね。二井はもうちょっと早いペースで回していけたらもっともっといけたんじゃないかなと思いますので、逆に今日は二井本人にとってはもったいなかったかなと思いますし、彼のこれからの上澄みも期待できるんじゃないかなと思います

――箱根前に4年生のメンバーがグッと調子を上げていますがその辺りに関して

非常にチームにとっては良いことですよね。4年生が盛り上がってるチームというのはチーム全体が盛り上がって強いチームになり得ますから。そういう意味では4年生が最後になって踏ん張りを見せてくれてることはチームにとって物凄くいいですし、シードに向けての執念というのが出てきてるのかなと感じます

田母神主将
――箱根前最後のレースとなったと思いますが今日の1万メートルを振り返って

上尾終わってから練習を積んで、練習の一環としての試合でしたので、監督にもレースとは思わずにポイントレースだと思って走れよって一つ決めていて。ある程度前半先頭の方で行って、後半きつくなってから粘るっていうレースプランだったんですけど、思ったよりきつくならなくて、一定のペースで刻めたのでそこは収穫だったんですけど、ラストががうまく上がらなかってていうのは反省点ですね

――ポイント練習の一環での29分半というタイムに関しては
30分から29分台で走ればいいって思ってたので72秒(1周)のペースで走ればいいと思ってたんですけど、思ったより71,70(秒)で走れたのでそこは収穫でした。
上尾の前は練習が積めてなかったので、上尾から仕切り直しということで、練習もしっかりやってだいぶ速いペースでこなせていたので、逆に上尾から調子が上がってここまでこれたという感じですね

――黄台のユニホームでの最後のレースとなりましたが
間違えれば今日が引退レースになってしまうこと、メンバー外もあり得たので、4年間凄い思い入れのあったトラックでのレースとなって最後良い形で終わることができて良かったです

――エントリー決めに関してはどのような心境でしょうか
予選会の時は自信を持って自分の名前を挙げれませんでしたが、今回は自信を持って自分の名前を挙げられると思います。あとは16人を目指して、最後4年生が良い意地を見せてくれたので。特に今日は二井が(後ろに)いたのは分かっていました。この4年間二井も苦しんでいたので。最後4年生で舟津だけじゃないっていうの見せれたなと思います

――箱根に向けての意気込みを教えて下さい
まだここからメンバー争い、10人に絞る練習があるので気が抜けないです。ここからもう一段上げていって本戦で走れるように頑張ります

二井
――今日のレースを振り返って
後ろの方からスタートして、前に上がってきて、ラストでトップ付近でゴールって考えていたので展開的には終わってみれば理想通りかなと思います

――ご自身のタイムに関してはいかがですか
タイムはあと20秒くらい削れたんじゃないかなと思ったんですけど、残り3000,2000で一回前出てしまったのがちょっと失敗したなって感じですね

――今の調子に関しては
(29分)20秒台で行けるんじゃないかっていうくらい良かったです。あと一息っていうところですね

――今後の意気込みをお願いします
下手したら今回がラストレースってことにもなりましたし、ここと上尾ハーフにかけるしかなかったので、ここでメンバーになるってなったら自分はやるしかないです

岩原
――今日のレースを振り返って。最初に転倒というアクシデントもありましたが
一応、復帰レースで、ちょっと故障してしまって練習開けてからの復帰レースでしたが、序盤で転んでしまって(心が)折れそうな状況でした。でもそこで、29分台でまとめてベストをしっかり出すというのはマストとして掲げていたので、そこだけはしっかりやろうと思って最後落ち着いたレースができたと思います

――本戦に向けての意気込みを教えて下さい
去年5区を走ったんですけど、自分の力不足という部分でチームのシードを落とすという結果になってしまったのでそれを覆すというか、今年は自分がシードに貢献できたと思えるように結果を残したいです

岩佐
――今日の走りを振り返って
上尾の結果を受けて、当初は結果を狙う予定だったんですけど、ここは本戦を見据えたら溜めを作んなきゃいけないっていう時期だったので、重石をつけた状態でスタッフからも3分から3分3秒で押していこうという意識がありました。本当はできれば3分切りで押せたらよかったんですけど最低3分3(秒)でまとめられたので最低限の走りができたかなと思います

――箱根に向けての意気込みを教えて下さい
また再来週にかけて強化が続くので年末さらに自分のパフォーマンスをあげていって、自分が走れるかわからないですけど、自分のパフォーマンスを上げるっていうのは自分ができることなのでチームのシード権の獲得に向けて4年生として貢献できるように頑張ります

◆大会結果◆

第4組 
南後海里  (経2)31分49秒48
黒須優翔  (文1)DNF *6000mまで

第8組
田母神 一喜(法4)29分30秒91 PB
二井 康介 (文4)29分35秒11
岩原 智昭 (文3)29分50秒16 PB
小林 龍太 (経1)29分56秒90 PB
岩佐 快斗 (経4)30分06秒87

第14組
加井虎造  (文3)29分55秒57

記事・写真:中大スポーツ新聞部