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亜大の投手リレーを前に散発4安打完封負け リーグ戦を4位で終える―東都大学野球秋季リーグ戦 対亜大2回戦

11月4日 神宮球場

チーム 123 456 789=R H E

亜 大 101 001 100=4 70

中 大 000 000 000=0 41

[中]植田、畠中、石田裕、西舘、藤沢ー古賀、大塚
[亜]内間、青山、平内ー草部、向井

[本]〈亜〉木倉(1回1点)

 

◆スタメン◆

1[左]齋藤未来也(商2=関東第一)
2[中]五十幡亮汰(法4=佐野日大)
3[一]内山 京祐(文4=習志野)
4[二]牧  秀悟(商4=松本第一)
5[指]倉石 匠己(経4=東海大市原望洋)
7[右]中田 悠斗(経3=藤枝明誠)
7[捕]古賀 悠斗(法3=福岡大大濠)
8[三]佐藤 天寅(文4=八王子)
9[遊]中川 拓紀(商3=宇治山田商)

P   植田 健人(経3=興国)

 

新型コロナウイルス感染拡大の影響で春季リーグが中止となり、このチームが神宮で戦えるのは10試合と、例年よりも少ない中、リーグ戦9試合を3勝6敗として迎えた最終戦。副将の佐藤天を今季初のスタメンに抜擢し、この試合に臨んだ。

 

初回、今季全3勝を稼ぎ出している先発の植田は、田中幹・矢野(亜大)の1・2番コンビを打ち取り、二死とする。しかし、ここで昨日2点本塁打を放っている木倉(亜大)に真ん中高めの直球を捉えられると、高い弾道の打球はぐんぐん伸びてレフトスタンドへ。2試合連続となる本塁打で、この試合も先行を許す展開となる。

 

初の1番スタメンでマルチ安打を記録した、次世代リードオフマン候補の齋藤

 

反撃したい中大はその裏の攻撃、この試合で1番に起用された齋藤が持ち前の俊足を生かして内野安打で出塁する。足を絡めた攻撃で中軸に繋げたいところだったが、五十幡の三振に齋藤の盗塁失敗が重なり、三振併殺打。亜大バッテリーにチャンスの芽を摘まれ、得点圏にランナーを進めることはできない。

 

最終戦の先発は植田。今シーズンは3勝を挙げた。

 

2回は三者凡退に抑えた植田は3回、一死から田中幹(亜大)にレフトオーバーの二塁打を打たれ、追加点のピンチを背負う。ここで中大バッテリーの隙をついて、田中幹が三塁へ盗塁。一死三塁、カウント3ボール2ストライクからの6球目、亜大はここで三塁走者を走らせてエンドランを仕掛けると、矢野(亜大)にきっちりショートにゴロを転がされて、手痛い追加点を奪われる。

2点を追う3回裏の攻撃。先頭の古賀が四球を選んで出塁すると、佐藤天が追い込まれながらもきっちり犠打を決めて、この試合初めて得点圏に走者を進める。続く中川もレフト前への安打で続き、一死一、三塁と一打同点のチャンスを作る。ここで迎えた齋藤の打球は捉えたかに思われたが、二塁手の正面へ飛び、併殺打に倒れてこの回も無得点に終わる。

 

▲大学ラスト登板で、1イニングを無失点に抑えた畠中優大(経4=樟南)

 

この流れを変えるべく清水監督は5回のマウンドを4年生の畠中に託す。相手の犠打失敗での併殺打もあり、二死走者なしとしたが、2つの四球と安打で満塁のピンチを招く。ここで迎えるはここまで2安打を放っている木倉(亜大)。ここでもなかなか制球が定まらず、3ボール1ストライクと追いつめられるが、神宮で数々の場面を乗り越えてきた左腕は、気迫のこもった投球で真っすぐを2球ゾーンに投げ込み、見事見逃し三振に切って取った。

6回からは今季大車輪の活躍を見せた石田裕太郎(経1=静清)、7回途中からは西舘勇陽(法1=花巻東)が登板。しかし、なかなか亜大の勢いを止めることができず、適時打と暴投などの間に1点ずつを失い、4-0とさらに点差を広げられてしまう。

 

▲7回、代打の切り札・内潟凌太(商4=遊学館)を送り出すも見逃し三振に倒れる

 

何とかまず1点をもぎ取りたい中大は、7回にも2つの四球で二死一、二塁のチャンスを作るが、代打・内潟が見逃し三振に倒れ、ホームが遠い展開が続く。

8回は引き続き登板した西舘、9回は藤沢真大(法3=仙台第二)が無失点に抑えて、迎えた最後の攻撃。9回から抑えとしてマウンドに上がった平内(亜大)から、クリーンアップで何とか一矢報いたいところだったが、150㌔をこえるストレートに押し込まれ、三者凡退。目の前で亜大に優勝を決められる悔しい完封負けとなった。

 

二遊間の難しい打球を華麗に処理し、好守で神宮を沸かせた中川

 

2季連続の優勝を目指したリーグ戦だったが、「この試合が象徴的だけど、リーグ戦を通してなかなか投手陣と攻撃が噛み合わなかった。優勝を目指してきた中で、神宮大会が中止になってしまったというのも大きかった」と今リーグを振り返った清水監督。

3勝7敗で4位となったが、主将の牧は4季連続の3割超でベストナインを獲得。副将の五十幡は足だけではなく打でも肩でも観客を魅了した。最終戦でスタメンを勝ち取り好守を見せた佐藤天、代打の切り札として存在感が光った内潟、思い出が詰まった神宮で最終戦無失点締めの気迫の投球を見せた畠中、開幕戦に決勝打を放つなど勝負強さが光った内山、国学大2回戦で大きな2点本塁打を放った倉石、最終戦は捕手の準備もした身体能力抜群のマルチプレイヤー坂巻尚哉(経4=千葉経済大附)。今年最初で最後のリーグ戦、わずか10試合の公式戦だったが、その分、出場した4年生それぞれがチームをけん引し、神宮でのプレーを楽しむ姿が印象的だった。

誰に聞いても「まとまりがあって仲がいい」と口を揃えた2020年世代。4年生の思いを繋ぎ、2021年世代が目指すはもちろん『日本一』だ。

 

◆試合結果◆

●中大 0—4亜大〇(亜大2勝)

 

記事・写真:「中大スポーツ」新聞部