新型コロナウイルス感染拡大の影響で無観客で行われた、第73回全日本フェンシング選手権大会。全国のフェンシング競技者から選ばれた96名の騎士たちが駒沢オリンピック公園総合運動場体育館に集結した。中大からは9名が出場し、大会2日目である9月18日は女子サーブル個人戦に江村美咲(法4)と雨田由香(法3)が登場した。
江村は初戦、2回戦と女王の貫録を見せつけ快勝し準決勝へ駒を進めた。準決勝では国内ランク3位の福島(セプテーニ・ホールディングス)と対戦。江村は持ち味である長身を活かしたアグレッシブな攻撃で福島を苦しめるも、終盤にリードを許し13-14と福島に先にマッチポイントを持っていかれ敗戦。三連覇が懸かっていた江村は本大会を3位で終えた。
▲抜群の柔軟性と長身を活かし、剣を突き刺す江村
本大会後、江村選手にコメントをいただきましたので、以下に掲載させていただきます。
ーー今大会を振り返り、感想をお願いします。
「今大会はとても緊張しました。久しぶりの試合、T16からのスタートや無観客等、いつもと違う環境、そして何よりも三連覇が懸かっていたことは緊張の大きな要素になっていたのかなと思います。頭では『連覇なんて関係ない、自分が今やるべきことをやるだけだ、その結果優勝できればベストだ』と思って挑みましたが、やはり心のどこかで意識してしまっていたのかもしれません。2試合目以降は比較的落ち着いてプレーできましたが、特に1試合目は会場の暑さ(換気のため冷房が効かない)と、緊張によって試合中も息が苦しくて頭が働かなくなりました。試合が終わった後も息切れが止まらなくて異常なくらい緊張してるなと自分でも感じていました。そしてもう一点、普段の試合では試合当日の内容に関する反省が多いのですが、今回は試合当日よりも試合に向けての練習段階での反省が大きかったのも印象的でした」
ーー今試合での収穫と課題を教えてください。
「今大会を通して気づいたことは、自分が1日1日の課題とばかり向き合ってゴールを設定できていなかったことです。毎日課題を持ち練習し、振り返って反省してまた次の日の課題を決めるという取り組み方をしていました。これ自体は間違っていないと思うのですが、自分がどんなプレースタイルで戦いたいのか、そのために今取り組むべき課題は何なのか、それが明確ではなかったと思いました。毎日の課題を克服するのに必死で、課題を絞りきれず、焦ってすべての課題に取り組もうとしてどれも中途半端になる。自分がどこに向かっているのか分からなくなって、最終的には試合前日になってもどんなプレーをしようか決めきれてなかったのです。今までは1日1日の課題に向き合っていれば成長できたかもしれませんが、今のレベルからさらに成長するには変わる必要があることに気づかされました」
ーー今後の目標を教えてください。
「やはりまずは東京オリンピックの出場権を自力で獲得することです。次の国際大会がいつ行われるのか、いつ選考に関わる大会が行われるのかまだわからない状態ではありますが、今できることを精一杯頑張りたいと思います」
ーー自身の持ち味を教えてください。
「私が人より凄く長けていることは特にありませんが、170cmという身長を生かしたリーチのある攻撃と、バランス型で欠点が少ないことを生かして自分で戦術を練りながら戦うことかなと自分では思っています」
ーー最後にファンの方へのメッセージをお願いします。
「 いつも応援ありがとうございます。今大会では優勝を目指していたので悔しい結果となりましたが、あの負けは良い経験だったと言えるように今後の練習や試合では反省を生かしてもっともっと強くなれるように努力したいと思います。SNS等で皆様に頂くメッセージ全てには返信できませんが、エネルギーの源になっていて、とても嬉しいです。東京オリンピックに向けて頑張りますので今後とも応援よろしくお願い致します!」
ーーありがとうございました!
〈江村美咲選手・プロフィール〉
なまえ:えむら みさき
生年月日:1998年11月20日
学部 学年:法学部 3年
出身地:大分県大分市
出身高校:大原学園高等学校
身長:167㎝
血液型:A型
記事:「中大スポーツ」新聞部
写真提供:日本フェンシング協会