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【箱根駅伝直前特集2024/戮力協心】第3回 吉居駿恭(法2)

3冠を掲げて臨んだ三大駅伝は、出雲駅伝7位、全日本大学駅伝4位という結果に終わった中大。残るチャンスは箱根のみ、「戮力協心」で悲願の優勝へ―。大会を目前とした選手たちは何を思い、何を目指すのか。

第3回は今やチームの三本柱に成長し、トラックでは学生トップレベルの実力を誇る吉居駿恭(法2)。2年目のシーズンや迫る箱根駅伝、さらに来年への思いなどを伺った。(取材は11月27日に行いました)


成長を感じたトラックシーズン

▲中大歴代2位(13分22秒01)をマークしたアスレチックスチャレンジ

―トラックシーズンはどのような目標で臨み、振り返ってどうだったか
まず最初に立てた目標は「日本選手権に出場する」ということだったんですけど、GGNで(標準記録を)突破して、その後の練習もかなり良かったので、しっかり日本選手権で結果を残すことに目標をチェンジしてやったんですけど、上手くいかずということで悔しい結果に終わってしまって。そこから苦しい期間があって、9月になり少しずつ走れるようになって、かなりいい練習ができたので9月の最後に今年一番記録を狙っていた、狙えるレースとしておいていたアスレチックスチャレンジで、目標には届かなかったんですけど、復調を示す走りができたのでトラックシーズンとしては特に来年が楽しみになるような、成長を感じられるトラックシーズンになったかなと思います。

―2月アメリカ合宿を今振り返ると
そうですね、練習自体はあまりいい練習ができなくて苦しんだんですけど、アメリカ行ってそのような苦しい状態になっても、いろいろと試行錯誤をして、自分の求めていた動き、自分の感覚をつかむことができたので、すごくそのアメリカで苦しんだ経験というのが今年のトラックシーズンに生きているなと感じました。

―1年の頃と比べて、練習面、意識面での変化はあったか
去年は土台をしっかり作ろうということで、あまり結果が出なくて苦しかったんですけど、「土台をしっかり作るんだ」という気持ちで去年一年つくってきたのがあったので、今年は「しっかり結果を求めてやろう」って決めてやりました。

―目標タイムとしては
年度初めには13分25秒を立ててやったんですけど、そこからいい練習というか、すごく実感できるレベルで強くなっている実感があったので13分15秒を出したいという気持ちでシーズン中は送っていましたね。

―トラックシーズンで感じた手応え
去年は5000㍍の練習はできても走れないということが多くて、5000㍍あんまり合ってないんじゃないかなという気持ちで走っていたんですけど、今年は自分の思った通りに走れていたのでその点、これからも5000㍍で戦っていけるという自信を得られることができました。

全日本で感じた手応え

▲高校駅伝ぶりに1区を任された全日本

ここまで三大駅伝皆勤賞の吉居駿。今シーズン、出雲駅伝では3区、全日本駅伝では1区を担った。

―出雲、全日本駅伝のチームの結果を振り返って
やっぱり優勝狙っていたので、苦しい結果にはなりました。

―個人の走りについて
個人としては、出雲はトラックから切り替えられないところがあって苦戦してしまったんですけど、全日本に関してはその時の状態にあった、自分の走りができたんじゃないかなと思います。

―全日本は区間3位だったが、1区は自分に合っているなという感覚はありましたか
そうですね、1区は合っているというか、単独走が難しい部分があるので自分はやっぱり駅伝だったら1区が一番合っているんじゃないかなって感じます。

―集団走の方が力を発揮できる?
やっぱりスタートのリズムがつかみやすいので、単独走だとそこが出雲に関してもできなかったので。その点1区は最初集団で行くので、焦らず行けるというかリズムをつかみやすいですね。

 

自分と向き合い挑む箱根路

▲前回(第99回)大会は4区区間5位

―今年は(全日本以降、)レースには出場せず練習に集中するという形ですか
そうですね、やっぱりトラックをメインでやりたいという気持ちはどうしてもあるので、そういう気持ちで出雲全日本と練習に取り組んでいたので、箱根はしっかりとチームに貢献するために欲は我慢して、我慢しようというところでレースは出ずにやっていますね。

―去年のこの時期とも比較して、練習は順調に積めていますか
去年もかなり練習やっていたんですけど、今年はのんびりと。去年はレースもたくさん出てやっていたんですけど、今年はレースがない分一応ゆっくりとやっている感じではありますね。

―チームとしては選考の時期だと思うのですが、今のチームの雰囲気は
ここ最近のレース、全体的に上手くいっていなくて、やっぱり少し他校には圧倒されている部分はあるんですけど、やっぱり4年生の勝ちたい思いというのはすごく感じるので、力になりたいと感じています。

―箱根の希望区間、意気込み
やっぱり1区あたりいけたらいいんじゃないかなと思います。まずは自分の走りに集中して、いい仕事したいです。

兄弟で走る最後の学生駅伝

▲共同取材時、Cポーズをする吉居兄弟(左から)駿恭、大和

小学校時代、同じ時期に陸上を始めたという吉居兄弟。中学、高校、大学と同じ道を辿り、チームメイト、ときにライバルとして切磋琢磨してきた2人の学生ラストレースがいよいよ迫る。

―(兄・大和の)尊敬している部分
駅伝での走りです。

―陸上のアドバイスをもらうこととかはありますか

そういうのはあまりないですね、、

―2人では普段どういった話をしますか
今後の陸上のプランだったりという話は結構、、結構というかそういう話ばかりです。

兄弟で走るのも箱根が学生最後だと思うのですが、最後に懸ける思いは
そうですね。中央大学が苦しんでいた時期をこう盛り上げていったのは、やっぱり兄の存在が大きいと思うので、そういう感謝の気持ちを込めて勝てたらうれしいなと思います。

ライバルや他学年について
―今一番意識しているライバルは
駒澤の佐藤(圭汰)君ですね。

―どのような部分が
やっぱり佐藤君も「トラックで世界を」というところを見据えていると思うので、来年5000で一緒に戦うと思うので、代表争いを考えるとやっぱり強敵の一人だと思うので負けたくないですね。

―1年生の活躍はどうみていますか
そうですね、入学当初は本当に全体的に苦しい学年だったんですけど、夏を越えて徐々に走れてきているので。もうちょっとほしいところはあると思うんですけど、すごく頑張っている学年だと思います。

―普段はどんな後輩ですか
やっぱりちょっとだらしなく見えてしまう部分はあると思うんですけど、後輩だからそう見えてしまうところはあるかもしれないです(笑)まあでもすごくかわいい、皆かわいいので頑張ってほしいです。

―4年生の存在は
今年の4年生はすごく力のある学年なので、自分はやっぱりそういうところ、走りで引っ張ってくれているなという感じはします。

―刺激をもらうことも多いか
そうですね、やっぱり特に湯浅さんは本当に頑張っているというか、チームが苦しい状況でもやってくれるキャプテンなので、本当に自分もしっかりしないとなという気持ちにすごくさせられますね。

▲兄とともに「優勝」を狙う

見据える先は“パリ”

―来年は3年生、チームを引っ張っていきたいという気持ちはありますか
やっぱり来年はトラックに集中して、オリンピックに出たいなという気持ちが強いですね。

―箱根後の目標
5000㍍に関しては13分05秒を切っていきたいなって思ってて、来年はスピードメインでやりたいので1500㍍や5000㍍を中心としてやっていきたいなって思います。

―やはりまずはパリ五輪を目指して、というところですかね
そうですね、本当に今シーズンは特にトラックやってる時期はいい練習ができていたので、しっかりアメリカでもう一度トラックの練習、スピードを鍛えてやれば、このまま(パリが)見えてくる、狙える位置にいると感じているので、本気でやっていきたいなと思います。

常に高いレベルで練習を続け、世界を相手に戦う吉居駿。この1年でさらに成長を遂げ、チームに欠かせない存在となった彼が2年目の箱根路に挑む。

(取材・構成 小幡千尋)

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